井上尚弥、ピカソKO逃したワケ「賢明な進化だ」 米指摘、本人不満の出来で見えた変化
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が27日、サウジアラビアの首都リヤドのモハメド・アブドゥ・アリーナで、WBC世界同級2位アラン・ピカソ(メキシコ)との防衛戦に臨み、3-0の判定勝ちを収めた。ただ自身、2戦連続の判定勝ち。KOに至らなかった理由を米メディアが分析している。

井上尚弥VSアラン・ピカソ
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が27日、サウジアラビアの首都リヤドのモハメド・アブドゥ・アリーナで、WBC世界同級2位アラン・ピカソ(メキシコ)との防衛戦に臨み、3-0の判定勝ちを収めた。ただ自身、2戦連続の判定勝ち。KOに至らなかった理由を米メディアが分析している。
井上は初回からガードを固めたピカソに、キレのあるジャブを放っていった。一転して2回は猛烈な連打。左ボディー、右フックと多彩な攻撃でダメージを与え、観客を沸かせた。6回にはピカソにロープを背負わせて連打を仕掛けたり、ボディーで効かせたりと優位に進めた。
ピカソもガードを崩さず反撃のチャンスをうかがうが、井上がそれを許さない。9回にも強烈なボディーを打ち込んだ。12ラウンドでは決着がつかず、井上にとって2試合連続の判定となったものの勝利。直後のインタビューでは「自分自身全く納得していない」と口にしていた。
この理由を分析したのが、米国ボクシング記者協会員のショーン・ジッテル氏だ。自身のYouTubeで「イノウエは驚くべきことに、試合終盤にいつものような波状攻撃を仕掛けなかった。これは彼の気質の進化であり、ピカソ相手には目覚ましい結果にはならなかったかもしれない。それでも今後、より手強い相手と戦う上では、賢明な進化だと言える」と口にしていた。
KOしなかったのは、精神面の進化あってこそだというのだ。「彼は今年の後半にかけて、より忍耐強いボクサーになった。ルイス・ネリとラモン・カルデナスにダウンを喫し、32歳にしてより強力なパンチャー、より手強い相手と戦うには我慢が必要だと決断したのだろう。彼はピカソをKOできただろうけど、彼の気質が変わってきている」と続けている。
来年5月には、階級を上げてきた前WBC&IBF世界バンタム級統一王者の中谷潤人(M.T)との対決が実現するのではとボクシング界は沸いている。ジッテル氏は「ナカタニとの試合でも、前半にその忍耐が必要になるだろう。なぜならナカタニは以前から最初の数ラウンド以降に勢いが弱まっていく傾向にあるからだ。だからこそ、ナカタニ戦では前半は少し辛抱して、慎重にならなければならない」と、今回の戦法がここで生きるとした。
井上の視界には、中谷戦の先にさらに階級を上げての5階級世界王者も入っている。ジッテル氏も「フェザー級に階級を上げれば、より忍耐強くなった気質が真価を発揮するだろう。フェザー級は彼にとって真の挑戦となるだろうからね。彼が負ける可能性がある場所だ」と、より重い階級を見据えての変化だと結論付けている。
(THE ANSWER編集部)
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