井上尚弥、自ら晴らしたピカソの“逃亡疑惑” 対戦辞退された5月は「ファイトマネーの問題」
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は27日に、サウジアラビアの首都リヤドでWBC世界同級2位アラン・ピカソ(メキシコ)との防衛戦に臨む。試合は大型興行「The Ring V: Night of the Samurai(ナイト・オブ・ザ・サムライ)」のメインイベント。23日に行われた到着セレモニー「グランドアライバル」に登場し、ピカソ戦の舞台裏を語った。

到着セレモニー・グランドアライバルに登場
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は27日に、サウジアラビアの首都リヤドでWBC世界同級2位アラン・ピカソ(メキシコ)との防衛戦に臨む。試合は大型興行「The Ring V: Night of the Samurai(ナイト・オブ・ザ・サムライ)」のメインイベント。23日に行われた到着セレモニー「グランドアライバル」に登場し、ピカソ戦の舞台裏を語った。
大型のモニターに甲冑を着た井上とピカソのイラストが映し出された会場。火花が散る演出の中、井上は設置された「鳥居」の間から白のジャージ姿で登場した。シャドーボクシングを披露してポーズを決め、囲み取材の前には主要4団体とリング誌のベルト5本を持って写真撮影に応じた。実際の試合会場とは異なるが、盛大なステージに「すごく、お金かかってますよね……」と思わず声を漏らした。
この日は、現地メディアを含む70社以上約90人の報道陣が取材に訪れた。多くの注目を集める中、試合に向けて「気持ちも高まっていく、いよいよだなと。毎回ですが期待を超えていく」と力強く言い切った。
前戦のアフマダリエフ戦はKO勝ちにこだわらず、距離を取りながら、最終12回まで全く隙を見せずに圧倒。これまでにピカソ戦は「KO決着したい」と宣言していたが「どの流れで、どのタイミングになるかは当日自分で探していきたい。無理に狙うとかではなく、しっかりとボクシングを見せながら。荒々しい強引さではなく美しい展開で」と王者の貫録を示した。
ピカソとの試合は当初、今年5月に米ラスベガスで開催されることが有力視されていた。しかし、ピカソ陣営が対戦を辞退。カルデナスとの防衛戦に変更となった経緯がある。
対戦が不成立となったことについて「(ピカソは)逃げたんじゃないですよ。正直な話」と打ち明けた。続けて「ファイトマネーの問題じゃないですか。元々サウジでやるってピカソ陣営は言っていたと思うんですよ。ラスベガスでやるとなると、ファイトマネーも変わってくる。結果、ピカソはこれ(サウジアラビアでの試合)を望んでいた」と説明。挑戦者の“逃亡”疑惑を晴らし、顔を立てた。
同興行には、井上と来春対戦が計画されている前WBC、IBF世界バンタム級統一王者の中谷潤人(M.T)も登場する。また、前WBA&WBC世界フライ級統一王者の寺地拳四朗(BMB)がIBF世界スーパーフライ級王者ウィリバルド・ガルシア(メキシコ)に挑戦。世界3階級制覇を目指す。今永虎雅(たいが、大橋)、堤麗斗(志成)が出場。日本人選手5人が参戦する。堤の兄・駿斗(志成)も出場予定だったが、練習中に右眼を負傷。眼窩底骨折と診断され欠場することになった。
(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)
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