[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「重量級は勝てない」日本の常識覆す超新星 吉田アラシが狙うロス五輪金「彼が取らないで誰が…」

指導者も五輪金を期待のスケール「アラシが取らないで誰が取る」

 そんな「常識」を覆すのが吉田だ。指導する日大の齊藤将士監督は「驚くのは、その吸収力。何かを教えれば、すぐに高いレベルでこなしてしまう。金メダル? もちろん。アラシが取らないで誰が取るんですか」と、ロス五輪での金メダル獲得を期待する。 

 吉田自身の視線も世界一に向いている。この大会の優勝で大きく近づいた来年の世界選手権に向けて「今年が3位だったので、来年はそれ以上を狙いたい」ときっぱり。世界に名前が知られたことで周囲のマークは厳しくなるだろうが「まだ足りないところがたくさんあるので、それを修正していきたい」とさらなる進化を誓った。

 大会最終日の21日には、イラン人の父ジャボ・エスファンジャーニさんが日本協会の「ペアレント賞」(五輪、世界選手権のメダリストの親で、レスリング経験者を表彰する賞)を受賞。アラシにレスリングの手ほどきをしたジャボさんは「うれしいですね。これからも頑張って欲しい」とアラシへの期待を込めて話した。

 海外勢に負けないフィジカルを持ち、海外勢を圧倒するスピードとテクニックで金メダルを目指すアラシ。「一番の目標はロス五輪の金メダルです」。その目標が実現した時、日本レスリング界の「重量級は世界で勝てない」という「常識」が過去のものになる。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)



1 2

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
oillio
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集