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「重量級は勝てない」日本の常識覆す超新星 吉田アラシが狙うロス五輪金「彼が取らないで誰が…」

レスリングの男子重量級に、五輪の金メダルを狙える超新星が現れた。21日まで東京・駒沢体育館で行われた全日本選手権の男子フリースタイル97キロ級で、吉田アラシ(21=日大)が圧倒的な強さを見せて3連覇を達成。今年の世界選手権で3位に入った実力を存分に見せつけた。「日本の弱点」と言われ続けてきた重量級に、世界と戦える逸材がいた。

ペアレント賞のパネルを手に笑顔の吉田アラシ(左)と父のジャボ・エスファンジャーニさん【写真:荻島弘一】
ペアレント賞のパネルを手に笑顔の吉田アラシ(左)と父のジャボ・エスファンジャーニさん【写真:荻島弘一】

レスリング全日本選手権、男子フリー97キロ級で3連覇

 レスリングの男子重量級に、五輪の金メダルを狙える超新星が現れた。21日まで東京・駒沢体育館で行われた全日本選手権の男子フリースタイル97キロ級で、吉田アラシ(21=日大)が圧倒的な強さを見せて3連覇を達成。今年の世界選手権で3位に入った実力を存分に見せつけた。「日本の弱点」と言われ続けてきた重量級に、世界と戦える逸材がいた。

 圧勝だった。決勝で対戦したのは18歳のリボウィッツ和青(東京・自由ヶ丘学園高)。序盤から圧力をかけて場外ポイントを重ね、最後はアンクルホールドでテクニカルスペリオリティ勝ちした。普段からスパーリングをする関係だというが、本番では力の差が歴然。わずか1分13秒で11-0とし「相手は高校生なので」と余裕で話した。

 世界選手権で3位に入り、一気に注目された。97キロのメダリストは五輪、世界選手権を通じて日本レスリング史上最重量。世界のメダリストを破って表彰台に立つ快挙だった。五輪メダル候補として臨んだ全日本選手権。プレッシャーもあったのか「ホッとしました」と優勝を振り返った。

 パリ五輪で史上最多8個の金メダルを獲得するなど、日本は過去の五輪で計45個の金メダルを手にしている。銀、銅を合わせると計87個。レスリングが「日本のお家芸」と言われる理由だが、そのほとんどは軽中量級のもの。1984、88年に太田章がフリー90キロ級で連続銀メダルを獲得しているのが重量級唯一のメダルで、長い間「重量級は勝てない」と言われてきた。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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