[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

パリ金の鏡優翔、テレビ出演で見直した戦いの“スタイル” 3年3か月ぶり敗戦に「やり直しですね」

ネイルにサントリーカラーをあしらった指で涙を拭う鏡優翔【写真:編集部】
ネイルにサントリーカラーをあしらった指で涙を拭う鏡優翔【写真:編集部】

所属先に合わせたネイル「頑張れよりもうれしい」言葉とは?

 もっとも、決勝では「点を取られても取り返す」目指すスタイルが出せず。松雪の「最少失点で我慢して終盤のワンチャンスにかける」狙い通りの試合になってしまった。「こういう展開にならないために(攻撃的な試合展開を)考えていたのに、それができなかった」と悔しそうに話した。

 フィジカルも元には戻っていなかった。体重コントロールはできていたが「(前日の)写真を見て、体つきが前とは違うと思っていた。パリ五輪の時のガッツポーズにあった力こぶもなかった」。休養期間中に落ちた筋肉が、戻っていなかった。レスリングスタイルを変えるための基礎がなかった。

 五輪後の休養、五輪前のケガなどもあって、国内での試合は23年7月の代表選考プレーオフ以来、およそ2年半ぶり。「初めてサントリー所属として試合に出るので、サントリーの色にしました」と水色と白のネイルを見せていたが、敗戦の悔しさからその指で涙をぬぐう姿も。「応援してくれている方々に申し訳なくて、すみません」と話した。

 それでも、闘争心は衰えるどころか燃え盛る。「優勝したら少し休もうと思っていたけれど、今は練習したい。明日からやります」。22年世界選手権以来3年3か月ぶりの黒星に「コツコツ連勝記録を重ねようかと思っていたんですけど、やり直しですね」と熱い気持ちで言った。

「頑張れ、よりもうれしい」と話し、自身でも繰り返し口にする「かわいい」。スタンドからの「優翔、かわいい!」の声援に応えるために、五輪女王は再起を目指す。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)



1 2

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
oillio
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集