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パリ金の鏡優翔、テレビ出演で見直した戦いの“スタイル” 3年3か月ぶり敗戦に「やり直しですね」

レスリングの全日本選手権第2日が19日、東京・駒沢体育館で行われ、女子76キロ級でパリ五輪金メダルの鏡優翔(ゆうか、24=サントリー)は準優勝に終わった。パリ五輪以来1年4か月ぶりに実戦復帰した鏡は、決勝で松雪泰葉(26=ジェイテクト)に2-4で逆転負け。2028年のロサンゼルス五輪に向けて攻撃型スタイルへの変貌を模索する中、厳しい再出発となった。

全日本選手権女子76キロ級決勝に出場した鏡優翔【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
全日本選手権女子76キロ級決勝に出場した鏡優翔【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

パリ五輪から1年4か月ぶりの実戦、決勝で敗れ準優勝

 レスリングの全日本選手権第2日が19日、東京・駒沢体育館で行われ、女子76キロ級でパリ五輪金メダルの鏡優翔(ゆうか、24=サントリー)は準優勝に終わった。パリ五輪以来1年4か月ぶりに実戦復帰した鏡は、決勝で松雪泰葉(26=ジェイテクト)に2-4で逆転負け。2028年のロサンゼルス五輪に向けて攻撃型スタイルへの変貌を模索する中、厳しい再出発となった。

 2-1とリードして残り1秒。一瞬のスキを松雪に突かれた。バックを取られて2点を奪われ、チャレンジが失敗して2-4で敗戦が決まると、6年ぶりの優勝を喜ぶ松雪の横で、鏡は呆然と立ち尽くした。

「やることは分かっていたし(技を)出すだけだった。でも、相手のカウンターを考えてしまった」と振り返った。序盤で2点をリードしてから追加点が奪えず、思い切った攻めもできなかった。残り時間がわずかとなり「逃げ切ろうというのが一瞬、頭をよぎった」のが敗因となった。

 パリ五輪後は一時競技を離れ、今年4月に再始動。ロス五輪に向けて自らのレスリングを見直した。これまではディフェンスの強さを生かして少ないスコアで勝ち切るパターンだったが、新たに模索したのは攻撃的なスタイル。豪快な大技でポイントを取り合うような、レスリングの魅力が詰まった派手な試合展開を目指した。

 18日の準決勝では、前回優勝の山本和佳と13-4という派手なポイントの奪い合いを演じた。4点を奪われたが大量13点を奪って「こういう試合がしたかった」と笑顔。マークも厳しくなる五輪連覇に向けて「今のままでは勝てない。これまでよりも攻撃の比重を増やしてやっていきたい」と話していた。

 休養期間中は、競技の普及を念頭にメディア出演なども積極的にこなした。テレビで流れる金メダルの回想シーンは、決勝の終盤にタックルから2点を奪った場面だけ。「あれしかないんですよ。もっと大技で大量点を取った場面とかあればよかったんですけど」。振り返っても見どころ満載な試合ができることも考えての、攻撃型へのモデルチェンジだった。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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