井上尚弥、統一戦消滅も… それでも大橋会長が「ベルトはどうでもいい」と語る理由
ボクシングのWBA世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)が英スコットランド・グラスゴーでIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)とのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)準決勝(日本時間19日早朝)に挑む。現地時間17日には会場のSSEハイドロに隣接する施設で前日計量が行われ、井上はリミット(53.5キロ)を100グラム下回る53.4キロ。ロドリゲスも53.4キロでともに一発でパスした。陣営の大橋会長は「歴史的な技術戦になる」と期待をかけた。
計量は共に一発クリア、大橋会長は状態に太鼓判「尚弥の腹筋凄かったね」
ボクシングのWBA世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)が英スコットランド・グラスゴーでIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)とのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)準決勝(日本時間19日早朝)に挑む。現地時間17日には会場のSSEハイドロに隣接する施設で前日計量が行われ、井上はリミット(53.5キロ)を100グラム下回る53.4キロ。ロドリゲスも53.4キロでともに一発でパスした。陣営の大橋会長は「歴史的な技術戦になる」と期待をかけた。
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100人を超える日本からの応援団の前での公開計量。ともに53.4キロで一発クリアした井上とロドリゲスは、実に17秒間もにらみ合った。視線をそらさない姿からは自信があふれた。完璧な仕上がりを披露したモンスター。陣営の大橋会長も、まずは胸をなで下ろした。
「最近(の試合)はずっと調子いいですが、今まで以上に調子はいいですね。ロドリゲスの目が泳いでいた。それが作戦なのか、どうなのか。相手はよく見えなかったけど、尚弥の腹筋凄かったね」
ボクサーにとって計量は第1関門。まずは最高の形でクリアした。
事実上の決勝戦と見る向きもある。19勝(12KO)無敗のIBF王者とのバトルは井上の新たな魅力を引き出してくれると、大橋会長は期待している。
無敗王者同士の激突で「歴史に残る技術戦を期待」
「相手もすごく技術も高くて乗りに乗っている選手。歴史に残る技術戦を期待したい。すごい攻防を観たいですね。ロドリゲスが相手だから、尚弥の新しい面を引き出してくれる期待もある。最近は出す前に終わっちゃってる。ロドリゲスが引き出してくれて、また違う尚弥が見られるんじゃないかな。本当は出る前に勝ってもらったほうが気は楽だけど、イギリスから出してもらいたいね。ボクシングの凄さを見せるのも尚弥の役割」
昨年5月のバンタム級転向初戦は112秒、10月WBSS1回戦はわずか70秒。2018年の2試合は連続1ラウンドKOで、両試合を足してもわずか182秒。井上の強さだけが際立つ試合になったが、今回はハイレベルな技術戦になることを想定しているようだ。
またこの試合は、WBAには正規王座より上位に位置づけられるスーパー王者を認定している関係で、IBFの規定により、統一戦とは認められないことになった。井上がIBF王座に挑むという格好になり、勝てばWBAは2度目の防衛、さらにIBFとの2冠王者となる。仮に敗れた場合はWBAの王座は空位となる。2団体のベルトがかけられるとは言い難く、これも王座の乱立が招いた異例のケースとなるが、大橋会長は一笑に付す。
「事実上の統一戦。ベルトはどうでもいい。このWBSSで頂点同士の戦いというので十分だと思っている」
最強を決めるという構図に変わりなし。海外からの注目度も高いバンタム級の頂上決戦。日本が世界に誇る「モンスター」が誰が1番強いのかを高らかに証明する。
(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)