17日にWBA世界バンタム級団体内統一戦

　ボクシングのWBA世界バンタム級王者・堤聖也（角海老宝石）が3日、都内のジムで公開練習を行った。17日には東京・両国国技館で同級暫定王者ノニト・ドネア（フィリピン）との団体内統一戦に臨む。ドネアと2度対戦したことがある世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）から“助言”を受けたことを明かした。興行は動画配信サービス「U-NEXT」が独占生配信。戦績は29歳の堤が12勝（8KO）3分、43歳のドネアが43勝（28KO）8敗。

　万全ぶりをアピールした。堤はシャドー2ラウンド、ミット打ち1ラウンド、サンドバッグ打ちを1ラウンドずつ行い軽快な動きを見せた。コンディションについては「いつも通りうまくいっています」と語り、滝のような汗を流した。

　練習後、取材に応じた堤。井上が所属する大橋ジムに出稽古に行った際、井上からドネア戦について“助言”をもらっていたことを明かした。「パンチの質が硬い、痛い、重いとかその質だけでも聞ければなと思った」と振り返り「尚弥さん自身も2発しかまともにもらっていないので、それが前提ですけど『フックは痛いよ』って言われました。『まともにもらったら危ないよ』って。知ってると思って。何の成果も得られませんでした」と笑みを浮かべて話した。

　井上はドネアとの第1戦で、2回に左フックを被弾し右目の上をカットするとともに右目眼窩底骨折の重傷を負った。ドネアと対峙した時の状況は聞けたといい「尚弥さんを僕に当てはめちゃうと多分すごい差が生まれてしまうから」と謙遜。続けて「実際に聞けたのはすごく大きかった」と感謝した。

　ドネアは世界5階級制覇王者のレジェンド。19年と22年に井上と激闘を演じたが、ともに敗れている。堤はこれらの試合を参考にしたといい、ドネアについて「全然悪い動きじゃなくてめっちゃいい動きをしているので参考になった。僕がチャンスを得た時に一歩間違えたら倒される。そういう危機感を感じられたので、いい資料だなと思いました」と話した。

　堤は2024年10月に現WBC同級王者・井上拓真（大橋）に判定勝ちを収め、WBA同級王座を奪取した。今年2月の前戦では同学年で親交のある比嘉大吾（志成）との同級タイトルマッチに臨み、ドロー決着。初防衛に成功した。