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兄・尚弥の凄みを実感「大変ですよ」 王座奪還後、井上拓真が漏らした真の偉大さ

ボクシングのWBC世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)が25日、那須川天心(帝拳)との同級王座決定戦12回戦から一夜明け、横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は3-0(116-112×2、117-111)で判定勝ち。約13か月ぶりの再起戦。格闘技戦績無敗を続けてきた“神童”に初黒星をつけて、世界王座に返り咲いた。会見では世界スーパーバンタム級4団体統一王者で兄の尚弥(大橋)についても思いを口にした。

一夜明け会見を行った井上拓真【写真:澤田直人】
一夜明け会見を行った井上拓真【写真:澤田直人】

大橋ジムで一夜明け会見

 ボクシングのWBC世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)が25日、那須川天心(帝拳)との同級王座決定戦12回戦から一夜明け、横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は3-0(116-112×2、117-111)で判定勝ち。約13か月ぶりの再起戦。格闘技戦績無敗を続けてきた“神童”に初黒星をつけて、世界王座に返り咲いた。会見では世界スーパーバンタム級4団体統一王者で兄の尚弥(大橋)についても思いを口にした。

 傷はほとんどなく、きれいな顔で会見に臨んだ井上。ベルトを前にして「強敵である天心選手に勝てたということが一番ホッとしています」と安堵の表情を見せた。また「朝の生出演があり、一睡もしていません」と明かした。

 試合に向けた練習では尚弥が天心対策のため、左構えでサポートする場面があった。当日の決戦直前は家族でリングに上がり、会場を盛り上げた。井上は家族について「一緒にいると心強い。力になる」と感謝。父の真吾トレーナーは「尚も弟が心配で仕方ないんですよ」と目を細めた。

 井上は23年4月にWBA世界同級王座を獲得。2度の防衛に成功するも、24年10月に現WBA世界同級王者・堤聖也(角海老宝石)に敗れて、王座陥落。引退をするか悩んだ末に現役続行を選んだ。那須川との再起戦に向けたトレーニングでは「初めてというくらい同じ思い、気持ち、温度でトレーニングができました」と、真吾トレーナーが太鼓判を押すほど、高い集中力、モチベーションをもって自身を追い込んだ。

 会見後の囲み取材で原動力を聞かれると「同じ過ちは繰り返したくないと負けてからすごく考えました。(集中を)続けるのは大変ですよ。これを続けているのが尚なので。本当に凄いと思います」と兄に尊敬のまなざしを向けた。

 那須川はキックボクシング、総合格闘技で合わせて47戦全勝。2023年4月にボクシングデビューし、今試合は転向8戦目。ここまで格闘技キャリアは54戦無敗だった。

(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)



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