ゴール直前で棄権から1年…東海大・ロホマン、箱根切符でリベンジ「俺がやっぱり走らないと」
第102回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)の予選会が18日、東京・陸上自衛隊立川駐屯地─立川市街地─国営昭和記念公園で行われ、東海大は10時間34分7秒の5位で2大会ぶり52回目の本戦出場を決めた。昨年ゴール直前で倒れこみ、無念の棄権となったロホマン・シュモン(4年)がリベンジの快走。一度は競技を辞めることも考えた失意の底から、仲間の支えを受けて這い上がった。

東海大は5位で2大会ぶりの本戦出場
第102回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)の予選会が18日、東京・陸上自衛隊立川駐屯地─立川市街地─国営昭和記念公園で行われ、東海大は10時間34分7秒の5位で2大会ぶり52回目の本戦出場を決めた。昨年ゴール直前で倒れこみ、無念の棄権となったロホマン・シュモン(4年)がリベンジの快走。一度は競技を辞めることも考えた失意の底から、仲間の支えを受けて這い上がった。
悪夢から1年。這いつくばっても届かなかったフィニッシュラインを颯爽と駆け抜けた。「昨年は予選会に入って結構いっぱいいっぱいになってしまった部分があった。今年は公園内に入ってからも余力を持って走ることができたし、しっかり落ち着いて、終始冷静だったかな」。全体87位、チーム6番手の1時間3分41秒でゴールしたロホマンは笑顔で汗を拭った。
再起は簡単ではなかった。昨年の10月19日。東海大の10番手としてゴールに迫っていたロホマンは残り10メートルほどのところで倒れこんだ。熱中症だった。意識が朦朧とする中、なんとか前に進もうとするが足取りはおぼつかず、無念の途中棄権。チームも14位で本戦出場を逃した。「メンタル的には本当にちょっと辞めようか悩んだ」。両角速監督に相談するほど、1か月ほどは失意に暮れた。
熱中症の後遺症もあって思うように練習できず、陸上への熱もなかなか入らない。失意のロホマンを支えたのは両角監督や同僚、家族や友人からの温かい言葉だった。特に大きかったのが現主将の花岡寿哉(4年)からの「来年俺たちが4年生になってチームを引っ張っていくから、また全員でこの予選会、絶対リベンジしような」という激励。ようやく「俺がやっぱり走らないと」と火が付いた。
低血糖の傾向があったことを踏まえ、改善のために同大医学部と連携。走る直前にカフェインを摂取すると血糖値が急上昇してしまうというアドバイスを受け、エナジードリンクを控えるようになった。スポーツドリンクも30分おきに200ミリリットルずつこまめに飲むという対策を徹底。夏合宿では距離を踏み、選抜合宿で高強度のポイント練習に取り組んだことで走力も向上できたと胸を張る。
「絶対にリベンジしてやろう」と強い気持ちで臨んだ1年ぶりの予選会だが、ここはあくまで通過点。「リベンジするためにこの1年間頑張ってきて、嬉しい気持ちはあるがここで満足しきっちゃいけない。一番のメインは箱根駅伝や全日本(大学駅伝)なので、そこに向けて慢心にならず、また取り組んでいきたい」。再び立ち上がり、走り出した21歳。目指すゴールはまだ先だ。
■ロホマン・シュモン 2003年12月24日神奈川県逗子市生まれ。バングラデシュ人の父と日本人の母を持つ。川崎市立橘高から東海大に進学。2年時の第100回箱根駅伝では10区を走り、区間20位だった。自己ベストは5000メートル14分12秒45、1万メートル29分7秒48、ハーフマラソン1時間2分40秒。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)
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