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わずか17秒差…薄氷の箱根切符 エース欠いた立教大、レース前後に「大丈夫」 鼓舞の主将に涙

第102回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)の予選会が18日、東京・陸上自衛隊立川駐屯地─立川市街地─国営昭和記念公園で行われた。来年1月2、3日の夢舞台を目指し、ハーフマラソンのコースに42校が参加。立教大は10時間36分56秒で10位に滑り込み、4年連続の本戦出場を決めた。エースを直前で欠く緊急事態も、主将の國安広人(4年)が責任感を持ってチームをまとめた。

箱根駅伝の予選会に出場した立教大・國安広人(ゼッケン30番)【写真:徳原隆元】
箱根駅伝の予選会に出場した立教大・國安広人(ゼッケン30番)【写真:徳原隆元】

箱根駅伝予選会

 第102回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)の予選会が18日、東京・陸上自衛隊立川駐屯地─立川市街地─国営昭和記念公園で行われた。来年1月2、3日の夢舞台を目指し、ハーフマラソンのコースに42校が参加。立教大は10時間36分56秒で10位に滑り込み、4年連続の本戦出場を決めた。エースを直前で欠く緊急事態も、主将の國安広人(4年)が責任感を持ってチームをまとめた。

 続々と埋まっていく結果発表のボード。8位、9位……まだ呼ばれない。焦りがつのった。自信をなくしている仲間が目に入る。「大丈夫、大丈夫」。主将として鼓舞し続けたが、國安自身も内心はハラハラ。祈るような気持ちで「第10位……」の先を待った。

「……立教大学!」

 ようやく響く、待ち望んでいた名前。緊張の糸が切れ、思わず膝をついた。歓喜が涙として溢れ出る。思い出すのは3年前。1年生だった國安は、立教大の55年ぶり本戦出場の瞬間を味わった。「その時と同じか、それ以上の喜びが爆発しました」。4年連続の切符を手にした主将の顔は、安堵に満ちていた。

 出場圏外となる11位の法政大との差は、わずか17秒。薄氷を踏むレースを経て、箱根への道はつながった。ハーフマラソン日本人学生歴代3位(1時間0分26秒)のエース・馬場賢人(4年)が足の怪我のため、大事をとって欠場。チーム全体に知らされたのは予選会3日前の15日だった。「『マジか……』という風にかなり精神的にダメージを受けている選手もいた」。大黒柱の離脱という緊急事態は、部員たちの心に暗い影を落とした。

 予選会出走メンバーとともに1日早く欠場の判断を知った國安も、動揺がなかったといえば嘘になる。それでも「上から引っ張るというより、下から一人ひとりを支える」ことを意識してきた主将は、言葉で仲間を盛り立てた。「しっかりカバーできるぐらい夏合宿をやってきたし、みんなの状態もいい。大丈夫」。ミーティングでみんなの前に立ち、これまで積み重ねてきた努力を思い出させた。

「ある意味、その出来事をきっかけにチームが一つに団結できた。自信をつけるような、鼓舞するような役割は僕自身しっかり果たせたんじゃないかなと思います」

 胸を張った國安だが、1時間2分49秒で個人33位だった自身の走りには納得していない。「レースでは走りでチームを引っ張ることが僕の役割。日本人先頭集団でタイムと順位を稼ぐ役割が与えられていた中で、前半はかなりついていけたが、公園内に入ってからはなかなか対応できなかった。個人の走りとしては、とても悔しい」。11月の全日本大学駅伝、そして来年1月の箱根でリベンジを誓う。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)


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