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30歳で女子ゴルフ初V、遅咲きの金澤志奈が涙あふれた理由 恩人を見て「こみ上げました」

遅咲きの30歳「年内にもう1勝を」

 現実にPO1ホール目では第1打を右に曲げたが、ボールは林の入口からラフに戻ってきた。ピンまで残り200ヤード以上の第2打も、グリーン奥のラフからカラーに戻る幸運があった。そして、金澤自身はどんな状況でも笑顔だった。

「たくさんの方が来てくださっているので、私が楽しそうにプレーすれば、みなさんも楽しいかなと思いまして」

 8歳でゴルフを始めた頃から「飛ばない分、小技が得意で守るプレースタイル」だったという。だが、1998年度生まれの畑岡奈紗、渋野日向子、勝みなみ、小祝さくら、原英莉花ら「黄金世代」が台頭して以降、「飛距離があって攻めるプロ」が勝利を重ねるようになった。そして、金澤は「攻めないと勝てない」と改心。この4日間は、大会史上最長6840ヤードのコースをウッドやユーティリティーで攻め続けた結果、3年シードのメジャータイトルに加え、賞金3600万円と副賞のベンツを手にした。

「ゴルフを始めてからはつらい日の方が多くて、何度もやめたいと思いました。でも、15歳でプロになろうと思ってからは、『ここまで来たらやめられない』と思いましたし、家が近所の畑岡奈紗ちゃんが活躍するのを見て『自分も続きたい』と思いました。続けて来て良かったです」

 文字通り、遅咲きの30歳。プレーの安定感が増すばかりで、今後の目標については「年内にもう1勝で複数回優勝にすることです」と言い切った。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

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