[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「午前中オフィス、午後に練習がまだ多い」 男子ハンド日本の指揮官が訴えた環境改善 代表強化へ持論

海外挑戦の奨励

 欧州遠征の豊田合成、刈谷の話題から海外挑戦の重要性も強調した。両チームは代表戦出場を辞退したが「欧州で経験を積むことは非常にいいこと。もっと海外に出て、経験を積んでほしい」とジローナ監督。「選手を海外に送り込むプランも考えている」と明かした。

 国内リーグにも海外選手は多く、特にリーグH2年目の今季は多くのチームがトップレベルの外国籍選手を獲得してシーズンに備えている。それでも、実際に海外のチームに入ってプレーすることは重要。「海外でのプレーを体験することが、成長につながる」と話した。

 RKヴァルダル(北マケドニア)所属時代に日本人初の欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場を果たした安平や、昨季フランスリーグ2位のナントで欧州CLベスト4に進んだ吉田ら欧州でプレーする選手は増えたとはいえ、日本代表の主力はまだまだ国内組が多い。多くの選手が海外で経験を積むようになれば、日本代表のレベルも上がる。

「国内の選手を短期間、ドイツやフランス、スペインのクラブでトレーニングできるように話をしている」。豊富な人脈で、強豪国のクラブと接触していることを明かした。もちろん、所属チームの了解も必要で、決してハードルは低くないが「本場での経験を持ち帰れば、必ず日本ハンドボールのためになる」と強調した。

 アマチュアスポーツの中でいち早くプロへのカジを切ったサッカーが、Jリーグを発足させたのは32年前。それでも、40年ほど前までは今のハンドボールと同じだった。欧州クラブと日本代表が親善試合を行い、代表にアマチュアとプロが混在し、海外でプレーする選手も少なかった。

 日本ハンドボール界はサッカーよりも40年近く、バスケットボールやバレーボールよりも大きく遅れているといってもいい。それを取り戻すために、ジローナ監督は改革を求める。「ニア・フューチャー(近い将来)」と何度も繰り返したのは、危機感の表れ。「これからも、日本協会やリーグHと話をしていく」とも言った。

 もちろん、その間も監督として日本代表の強化は続ける。PSG戦の日本代表を「経験豊富なベテランと将来有望な若手をミックスさせたチーム」と評したジローナ監督。2年前のPSG戦で藤坂が衝撃的な代表デビューを果たしたように、また代表の新星が飛び出す可能性もある。発展途上のハンドボール男子日本代表「彗星ジャパン」。PSGとの試合は19日のジークスター東京対PSGに続いて20日、代々木第一体育館で行われる。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)


CW-X

CW-X

1 2 3

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
CW-X CW-X
lawsonticket
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集