高見亨介VSエリック・ロサ

　ボクシングのWBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦が30日、神奈川・横浜BUNTAIで行われ、同級1位・高見亨介（帝拳）が同級王者エリック・ロサ（ドミニカ共和国）と対戦。名門・帝拳ジムのホープがプロ10戦目で世界初挑戦し、10回2分48秒TKO勝ちで王座をつかんだ。戦績は23歳の高見が10勝（8KO）、25歳のロサが8勝（2KO）1敗。

　期待の新星が大舞台で暴れた。初回、高見はサウスポーのロサとジャブで間合いを測り、隙を見て右フックをヒットさせた。2回、左右のコンビネーションで果敢に攻め立てると、歓声が上がった。5回はボディーを中心にダメージを蓄積。終了間際に相手をコーナーに追い込むと右拳を回し、ロサにアピール。ゴングを聞き笑顔を見せる余裕があった。

　その後もペースを握り続けた高見は10回、遂に右フックでダウンを奪った。最後はレフェリーストップ。終始圧倒の10回TKOで、世界王座を獲得した。リングインタビューでは「すごく嬉しい。今回10戦目の速さで挑戦させてくれた会長、関係者のみなさま、そして対戦してくれたエリック・ロサ選手、本当にありがとうございました」と感謝を口にした。

　今年4月に行われた前戦は、日本同級タイトルマッチで川満俊輝（三迫）に6回TKO勝ち。王座を奪取した。リング上のインタビューで「会長、世界挑戦させてください」と陣営の本田明彦会長に直訴し、念願が叶った。「6回で倒したい」の目標からは時間がかかったが、世界のてっぺんを掴んだ。

「宣言してた6回越えたあたりに判定でもいいんじゃないかと少しよぎったけど、10回で仕留め切れて。正直ビックリしている自分と、練習頑張って良かったなと自分を誇れた瞬間でした」。今後の展望については「今言うと会長に修羅の道を行けと言われそうなんで、今少し伏せたい。ただ、自分が目標にしている複数階級という目標に向けてはしっかりと進んでいきたい」と語った。

　2020年10月にプロデビューしたロサは、2021年7月にプロ4戦目でWBA世界ミニマム級暫定王座を獲得。同年12月には同級の正規王座に就いた。昨年12月の8戦目で2階級制覇を達成。今回が初防衛戦だったが、高見の前にプロ初黒星となった。