バレーボール・ネーションズリーグ男子

「買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2025 千葉大会」の男子が16日、千葉ポートアリーナで行われた。世界ランク5位の日本は予選ラウンド第3週の初戦で同8位のドイツを3-1（21-25、25-20、25-23、25-20）で下し、通算6勝3敗とした。第3週から合流した高橋藍（サントリー）は初戦から19得点の活躍で勝利に貢献。試合中には、苦しい状況で味方を鼓舞する発言を繰り返していた。

　合流初戦から存在感抜群だった。高橋は強烈なスパイクを倒れこみながらレシーブすると、すぐさま立ち上がって高々と跳躍。右腕を力いっぱい振り抜き、相手コートにボールを叩きこんだ。

「スゴイスゴイ！」と客席から大興奮の声がそこかしこで上がったが、本人は至って冷静に自己分析。「自分は崩れてでもスパイクを打てる。レシーブしてからスパイクを打てる強みを持っている」。得意とするスタイルを仲間に伝え、何度もトスを要求した。

　エースで主将の石川祐希とともにこの日が今大会初出場。セッターの永露元稀とは「合わせている期間が短いのでどうしても宮浦（健人）選手にトスが上がってしまう部分は自分たちも認識としてあった」。だからこそ、試合前にも、試合中にも繰り返し伝えた。「苦しくなれば自分にあげていい。困ったら自分を頼りにしてくれていい。なんとかする」と。

　力強い発言通り、ここぞの場面でアタックを着実に決めた。「そこが信頼関係にも繋がっていく。それを今日結果として出せた部分が、永露選手にとってもチームにとっても一番大きかったと思う」。1セット目を落としたものの、そこから3セットを連取。「1戦目、難しい部分があった中で、改善しながら試合を進められた。チームとして上がっていけるかな、という感覚は掴めた」と手応えを感じた。

　攻撃だけでなく、得意のレシーブでもチームに貢献。「対角に入る石川選手の負担を減らすのは自分の役割。リベロと2人で軸を作っていくという部分は今日も少し見えた部分はあったので、もっと強化していければ」。この日登録された14選手の中ではまだ3番目に若い23歳。だが、2度の五輪出場やイタリア挑戦、SVリーグ制覇など様々な経験を積み重ねてきた高橋の背中は大きく、頼もしかった。