イチローの引き際を“先駆者”が称賛 ニグロリーグ博物館が「Hall of game」選出へ
結びつきの強かった両者、過去にはイチローからの寄付も
イチローはこれまで何度か博物館を訪れたことがあり、結びつきは強い。両者をつないだのは、ニグロリーグで活躍し、後のメジャー球団のスカウトも務めた故バック・オニール氏だった。「2006年だったと思うが、バック・オニールが亡くなった直後、イチローの関係者から敬意を表したいと連絡を受けた。突然のことで驚いた。バックはイチローのプレーが大好きだったし、イチローも信頼を寄せていたようだ。お互いを深く理解し合っているように感じた」と振り返る。
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ニグロリーグ野球博物館の設立・運営に尽力を注いだオニール氏を偲び、このときイチローは寄付をしたという。「日本から来た当時若かった彼はニグロリーグが米国の野球にどれだけ大きな意味を持っていたのかを理解してくれていた。それはとても重要な意味を持つことだった」と感謝の言葉を述べた。
日米ファンを魅了した安打製造機とニグロリーグは、時空を超えてベースボールへの深い敬意で繋がった。通常は引退後2年ほど空けてからオファーを出すのが通例のようだが、「イチローは例外だ。もし『Hall of game』の選出を受けて入れてもらえるなら今年にでも表彰のセレモニーを行いたいと思っている」。今度は自分たちが敬意を示す番だと、ケンドリック館長は強く感じている。
(岡田 弘太郎 / Kotaro Okada)