バスケ女子日本が“格下”に大苦戦のワケ 新任HCから厳しい言葉、守れなかったプランとは「細かなことだけど…」
アジア杯の前に出た課題「今日が親善試合で良かった」
もちろん、3点シュートだけが苦戦の原因ではない。ゲインズHCが強調したのは「チームのスタンダードが守れなかった」こと。「ディフェンスプランを遂行する」「ボールは大切に、パスは強く」から「トラップする時には手を使わない」「相手がシュートフェイクする時に飛ばない」などなど「細かなことだけれど、それをミスしないことが大事」と強い口調で言った。
試合後のミーティングでよほど厳しい言葉があったのだろう、その後の会見にゲインズHCとともに並んだ渡嘉敷、藪は神妙な面持ちだった。「やってきたことができなかったというのがある」と渡嘉敷が言えば、藪も「チームのルール、基盤になるところを練習してきたが、それが表現できなかった」と話した。
ホームで「格下」相手に勝てなかったものの「今日が親善試合でよかった」とゲインズHC。4日には第2戦が同じ有明アリーナで行われる。「今日はベストを尽くせなかったが、ここから学んで、切り替えたい」と続けた。藪も「ネガティブにならず、やるべきことを明確にしてやっていけたら」と前向きに言った。
愛知大会で輝いた新星、田中もこの日は連携ミスも目立ち、ターンオーバーは7回。「大きい相手がスピードがないのでドライブで行ったら、その先にまた大きい相手がいた」と戸惑いも口にしたが、ゲインズHCが「アジア1のPGになれる」と期待する逸材にとっては、これが貴重な経験になる。「もう終わったことなので、気持ち的には切り替えています」と4日の試合、さらにアジア杯を見据えた。
パリ五輪から大幅にメンバーを入れ替えた新生日本代表だが、ゲインズHCのもとで始動してからはわずか2カ月。「チームのスタンダード」浸透には、まだ時間がかかりそうだ。それでも、同HCは10日後に開幕するアジア杯に向けて「自分たちらしい戦いで、日本バスケをお見せしたい」。東京五輪の銀メダルからパリ五輪の惨敗を経て目指す28年ロサンゼルス五輪まで、厳しい戦いは続く。(荻島弘一)
(THE ANSWER編集部)
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