驚異の19歳にまたも命名技誕生か 白井健三が新たに狙う最高難度の大技とは
体操の15年世界選手権床運動金メダリスト白井健三(日体大)が、6月4~5日に行われる全日本種目別選手権で跳馬の新技「伸身ユルチェンコ3回半ひねり」に挑戦する意向を示した。
幼少期から使用した「タンブリングトラック」とは
体操の15年世界選手権床運動金メダリスト白井健三(日体大)が、6月4~5日に行われる全日本種目別選手権で跳馬の新技「伸身ユルチェンコ3回半ひねり」に挑戦する意向を示した。跳馬最高難度6・4となり、五輪で成功すれば命名技として認定される見通し。世界体操種目別を2度制した床運動に加え、跳馬でもリオの表彰台に立つ可能性が高まってきた。
新技は、自身の命名技「シライ/キムヒフン」(伸身ユルチェンコ3回ひねり)のひねり部分を半回転増やすことで完成する。従来技に比べて、難度点が0・4点増。これまで決勝に残るのがやっとだった種目別跳馬で、一気に表彰台を狙えるレベルに到達するというわけだ。
半回転余計にひねりを加えるのは容易ではない。優れた空中感覚があるからこその技だ。
白井は父・勝晃さんが作った「タンブリングトラック」(タントラ)で、ひねりの基礎を磨いた。タントラは、いわばトランポリンのように弾む床。地面を蹴る脚力が未熟でも滞空時間を稼げるため、幼少期に感覚を養うことができる。跳馬の新技も、既に練習では成功。約2か月後の五輪へ熟成させれば、大きな武器となりそうだ。
白井は現在、床運動で3つ、跳馬で1つの命名技を持つ。新技の命名には国際競技会で成功させることが条件となっているため、五輪で決めれば跳馬の「シライ2」となる見込みとなっている。命名技を1つも持たない絶対王者の内村航平(コナミスポーツ)と対照的に、次々と新技を開発して世界の頂を狙う19歳。狙うは金メダルただ1つ。「ひねり王子」から、目が離せない。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer