井上尚弥猛反撃に米実況席興奮

　ボクシングの世界スーパーバンタム級（55.3キロ以下）4団体統一王者・井上尚弥（大橋）が4日（日本時間5日）、米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界同級1位のラモン・カルデナス（米国）との4団体防衛戦に臨み、8回45秒TKO勝ちした。世界戦通算23KOで、歴代最多記録を77年ぶりに更新。米実況席からは「この容赦ない攻撃」と名セリフまで飛び出した。

　井上は2回、右ストレートを受けて鼻血。打ち終わりにカウンターの左フックを受け、まさかのダウンを奪われた。その後だ。6回に右ストレートを効かせ、ラッシュを見舞った。残り20秒、容赦はない。試合を全米に届ける米スポーツ専門局「ESPN」の放送席は熱く燃えた。

　実況のジョー・テシトーレ氏が「猛攻だ！　この容赦ない攻撃を見よ！　最後の10秒！　これぞボクシングのあるべき姿だ！」と絶叫すると、解説の元世界2階級制覇王者ティモシー・ブラッドリー氏も「彼は異次元だ！　全く別格だよ！」と続いた。

　テシトーレ氏が「なんて凄まじいラウンドだ！」。ブラッドリー氏も「信じられない。オーマイガー」と戦いを振り返って始まった7回。井上は開始から仕留めにかかり、左右のボディーでぐらつかせた。右ショート4連発を浴びせ、反撃のダウン。8回にはフラフラのカルデナスを攻め立て、たまらずレフェリーが止めた。4年ぶりのベガス決戦で米メディアの心を揺さぶっていた。