「はい、勝って後悔です」 次戦の確約がない37歳ボクサー、元世界王者・尾川堅一が生き残る術
ボクシングのスーパーフェザー級(58.9キロ以下)ノンタイトル10回戦が5日、東京・後楽園ホールで行われ、元IBF世界同級王者・尾川堅一(帝拳)がメルチョル・ロダ(フィリピン)に5回終了TKO勝ちした。世界王座返り咲きを狙うが、消化不良の試合に反省ばかり。長くはない残りのキャリアを突っ走るため、懸命に前を向いた。戦績は37歳の尾川が30勝(21KO)2敗1分1無効試合、27歳のロダが9勝(6KO)5敗。観衆は1544人。

Sフェザー級ノンタイトル10回戦
ボクシングのスーパーフェザー級(58.9キロ以下)ノンタイトル10回戦が5日、東京・後楽園ホールで行われ、元IBF世界同級王者・尾川堅一(帝拳)がメルチョル・ロダ(フィリピン)に5回終了TKO勝ちした。世界王座返り咲きを狙うが、消化不良の試合に反省ばかり。長くはない残りのキャリアを突っ走るため、懸命に前を向いた。戦績は37歳の尾川が30勝(21KO)2敗1分1無効試合、27歳のロダが9勝(6KO)5敗。観衆は1544人。
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節目の30勝目は反省が口をついた。尾川は上下にパンチを打ち分け、丁寧なジャブで主導権を獲得。打ち終わりに被弾する場面もあったが、4回に右ボディーストレートを数発ヒットさせた。右ボディーを入れ、ダメージを蓄積。5回終了後、相手コーナーから棄権の申し出があり、思わぬ幕切れとなった。
汗だくの顔に充実感はない。
「新しいこととして、足を止めてやるイメージだった。粘り強くやらないといけないけど、やりたかったこと、やってきたことを出せなかったです。変にやろう、やろうと固執しすぎてしまった。変な形で終わったからこそ、もう少しやりたかったんですけど。後悔ですね。はい、勝って後悔です」
体を左に傾け、右ストレートを避けることを重点的に練習。「染み付いていないからそんなことは頭からぶっ飛んでいた」。従来の跳ねる動きを大事にしつつ、重心を落とし、ガードを上げる新しい形を模索してきたが「それを中心にやろうとしすぎて、何もできなかった」と猛省した。
2021年11月にIBF王座を戴冠。22年6月に敵地の英カーディフでジョー・コーディナ(英国)に2回KO負けし、王座陥落した。同8月に右肩を手術。長年の古傷にメスを入れた。10か月後の再起戦から4連勝。コンディションも、気持ちを含めた試合の臨み方も悪くないだけに、気持ちは晴れない。
「しっかりとやらないと、次の試合はないもんだと思っている。またやらせてもらえるか確約もない。年齢もあるし、会長(帝拳ジム・本田明彦会長)もやっぱりそういった部分を見ていると思います。僕の力だけでは試合は組めないので」