「今は、レースをすることが楽しい」 涙から8か月、代表入りの池江璃花子が解き放たれた呪縛
競泳の日本選手権は20日、東京アクアティクスセンターで開幕し、池江璃花子(24=横浜ゴム)が7月の世界選手権(シンガポール)代表キップを手にした。女子100メートルバタフライ予選2位通過の池江は、決勝でも57秒53の2位で派遣標準記録を突破。57秒04で優勝した平井瑞希(18=アリーナつきみ野SC)とともに代表に内定した。

競泳日本選手権
競泳の日本選手権は20日、東京アクアティクスセンターで開幕し、池江璃花子(24=横浜ゴム)が7月の世界選手権(シンガポール)代表キップを手にした。女子100メートルバタフライ予選2位通過の池江は、決勝でも57秒53の2位で派遣標準記録を突破。57秒04で優勝した平井瑞希(18=アリーナつきみ野SC)とともに代表に内定した。
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50メートルのターンは先行した平井に0.5秒遅れた。爆発的な後半の伸びこそなかったが、離されることはなく2位でゴール。昨年のパリ五輪選考会での57秒30には及ばなかったが危なげなく代表入りを決めて「思ったようなタイムではなかったけれど、代表権が獲得できて素直にうれしい」と笑顔をみせた。
晴れやかな表情だった。泳ぐたびに日本記録を更新した高校生の頃の強さも、白血病から復活しながらもタイムの伸び悩みに苦しんだ悲壮感も、そこにはなかった。「正直、1番は狙っていなかった。それでも絶対に2番はとれると思っていました」。自然体で言った。
高校生の平井に負けた悔しさは「正直、ないです」と言った。「悔しいという気持ちを持たなきゃとは思うんですけど」と言いながらも「勝てないものは勝てないと割り切っている。だから、自分のレースに徹することができました」と本音を明かした。
パリ五輪準決勝で敗退した池江にとって、同五輪7位に入った平井の背中が遠くなっていく。「出てきた時から、どこまでタイムを伸ばすんだろうと思ってみていた。アスリートとしては悔しいと思って挑まなければいけないけど、自分のタイムが伸びていないからそこまでの気持ちはなかった」と話した。