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なぜ、ナダルは愛されるのか 15人のレジェンドが明かす「帝王」の神髄と一流の流儀

スミス氏「クレーでナダルとプレーすることは神経の治療で歯医者に行くようなもの」

■「今まで対戦した最も偉大な選手? ラファエル・ナダルだ。間違いない。彼は見るのも大好きな選手の1人だけど、凄まじい競争力を持っている」――レイトン・ヒューイット氏(オーストラリア=グランドスラム2勝)

 昨年限りで引退したヒューイット氏は20年間に及んだ現役生活で最も偉大な選手に「ナダル」の名前を挙げた。

■「全仏でナダルとプレーすることは壮絶な消耗を要する。彼は(ミスで)全くポイントを与えてくれない。自分自身でウィナーを決めなければいけない。それを5セット続けないといけないのだから。彼の最も好きな部分は常にすごく謙虚であること。それは素晴らしい姿だ」――ビョルン・ボルグ氏(スウェーデン=グランドスラム11勝)

 全仏6勝を挙げ、赤土で王者に君臨したボルグ氏は隙のないナダルのプレースタイルを評価するとともに人間性も称賛している。

■「クレーでナダルとプレーすることは神経の治療で歯医者に行くようなものなんだ」――スタン・スミス氏(米国=グランドスラム2勝)

 スミス氏は赤土でナダルと対峙することが、テニス選手にとって、いかに気が重いかを冗談を交えて表現した。

■「クレーコートで優勝し、芝でも優勝することはアメージングな功績だ。しかし、ラファは体調万全ならハードコートでも史上最高の1人だ。そのことは彼が真のオールラウンダーであることを証明している」――ボリス・ベッカー氏(ドイツ=グランドスラム6勝)

 ベッカー氏は強さがクレーコートにとどまることはないと主張。ナダルのプレースタイルについて「生まれつきのカウンターパンチャーだ。信じられないほどのフットワークのスポードと疲れ知らずのグランドストロークを兼ね備えている。ナダルとプレーするときは、一瞬でも集中を欠いてはいけない。誰も絶対に過小評価してはいけない。彼に血の匂いを嗅がせてしまえば、彼の中の野獣が目覚めるんだ」と語った。

 特集では、最後にアガシとフェデラーのユーモアあふれるやりとりで締めくくっている。「もしも、マジョルカ島出身の怪物がいなければ…」とアガシが話しかけると、フェデラーは「全仏で5回は優勝できたでしょう」と返答したという。

 一流の実績、一流の人格、一流のプレー……。様々な理由によってファンのみならず、過去のグランドスラム王者、テニス界のレジェンドに愛されるナダル。31歳にして故障やスランプを乗り越えた赤土の帝王は、どこまでタイトルを積み重ねるのだろうか。

【了】

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer


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