1か月で40km走4本、掴んだ74秒の成長 おっとり系の女子マラソン佐藤早也伽が乗り越えた過酷合宿【名古屋ウィメンズ】
9月の東京世界陸上代表の最終選考会を兼ねた名古屋ウィメンズマラソンが9日、バンテリンドームナゴヤ発着の42.195キロで行われ、30歳の佐藤早也伽(積水化学)が自己ベスト2時間20分59秒で日本人トップの2位に入った。参加標準記録2時間23分30秒、代表有力候補だった小林香菜の2時間21分19秒を上回る力走を見せ、代表内定に大きく前進。月間距離を伸ばすなど終盤の粘りを携え、過去の自分を超えた。シェイラ・チェプキルイ(ケニア)が2時間20分39秒で優勝。

名古屋ウィメンズ
9月の東京世界陸上代表の最終選考会を兼ねた名古屋ウィメンズマラソンが9日、バンテリンドームナゴヤ発着の42.195キロで行われ、30歳の佐藤早也伽(積水化学)が自己ベスト2時間20分59秒で日本人トップの2位に入った。参加標準記録2時間23分30秒、代表有力候補だった小林香菜の2時間21分19秒を上回る力走を見せ、代表内定に大きく前進。月間距離を伸ばすなど終盤の粘りを携え、過去の自分を超えた。シェイラ・チェプキルイ(ケニア)が2時間20分39秒で優勝。
【PR】2025年9月、世界陸上が東京にやってくる 田中希実が語るその魅力「たくさんの『好き』が詰まった大会」
おっとりとした性格とは裏腹に、粘り強くくらいついた。ペースメーカーが外れた30キロ。2人の海外勢が抜け出した。だが、佐藤は冷静だ。「いつもより足が残っている」。一度は離されたが、36キロ付近でチュンバ(バーレーン)を抜いて2番手に。チェプキルイも猛追し、背中を追った。最後は両手を広げながら日本人トップの2位でゴール。表情を崩し、歓喜を味わった。
昨年の大阪国際女子では、日本記録を更新した前田穂南と30キロ手前まで競り合った末に失速。終盤の粘りが課題。「足が重くて前に進まないレースが多かったが、今回は40キロ以降になるまで全然感じずに走れた」。大一番に間に合わせ、目標の自己ベストを1分14秒更新。「過去の自分を超えられた」と愛らしく笑った。
所属先の野口英盛監督は「今までで一番、質も量もこなせた」と充実度を振り返る。火をつけたのが前田のインタビュー。月間で走った距離の量を知り、「本人も走り込まないといけないと理解した」と明かした。昨年12月末から1か月の宮崎合宿。4本の40キロ走で歯を食いしばった。佐藤は「凄く練習してきた自信があった。それを無駄にしたくなかった」と力を込めた。
23キロ付近でペースメーカーがコースを間違えるハプニングも「動揺なく落ち着いて走れた」とマイペース。ちょっとしたペース変化で焦る自分はもういない。「気にせず集中して走れた。凄く成長した」。世界陸上代表に大きく前進。「またレベルアップして世界と戦っていけるように」。涼しい横顔に熱いハートをのぞかせた。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)
