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フィギュア島田麻央の五輪阻む“17歳ルール”に異論 米熟練記者が新提言「21歳を待つ必要なくなる」

フィギュアスケートの世界ジュニア選手権は1日、ハンガリー・デブレツェンで女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の島田麻央(木下グループ)が156.16点をマーク。合計230.84点で3連覇を達成した。2位に40点以上の差をつける異次元の演技。島田は年齢制限で2026年のミラノ・コルティナ五輪に出場できないが、米国の熟練記者は異論とともにルール変更を唱えている。

世界ジュニア選手権3連覇を果たした島田麻央【写真:Getty Images】
世界ジュニア選手権3連覇を果たした島田麻央【写真:Getty Images】

島田はミラノ・コルティナ五輪に現状の規定では出場できず

 フィギュアスケートの世界ジュニア選手権は1日、ハンガリー・デブレツェンで女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の島田麻央(木下グループ)が156.16点をマーク。合計230.84点で3連覇を達成した。2位に40点以上の差をつける異次元の演技。島田は年齢制限で2026年のミラノ・コルティナ五輪に出場できないが、米国の熟練記者は異論とともにルール変更を唱えている。

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 島田はフリーで冒頭の3回転アクセルを綺麗に決め、観客の拍手を浴びると続く4回転トウループ、3回転ルッツ―3回転トウループも着氷。SP、フリー、合計点の全てで自己ベストを更新し、フィニッシュ後は笑顔を見せた。

 圧巻の3連覇後、アメリカの熟練記者フィリップ・ハーシュ氏は自身が運営するサイトに記事を掲載。「マオ・シマダについてこれ以上言うことはあるだろうか?」と絶賛したうえで、「実に残念なのは、国際大会の新しい年齢制限により、この16歳の日本人選手は2026年の五輪に参加できないということだけ。ハンガリー・デブレツェンでジュニア世界選手権3連覇を遂げたにもかかわらず」と主張した。

 五輪出場の年齢は「五輪前年の7月1日時点で17歳以上」が条件となっており、現在16歳の島田は10月30日が誕生日。ミラノ・コルティナ五輪には現状の規定では出場できない。ハーシュ氏は「ジュニア世代で無駄な努力に終わってしまう選手も出るかもしれない」と懸念を記し、さらに「少し注意が必要になるが」と前置きしたうえで、こんなルールを提言した。

「ジュニア世界選手権優勝選手がシニア最初のシーズン、もしくはシーズン中に17歳になるのであれば、1シーズンのシニア大会出場資格を与えられるべきである――そのシーズンの世界選手権または五輪に出場するのであれば、当該選手はその時点までに17歳になっていなければならない」

 世界ジュニアで優勝した選手に限り、大会時点で17歳になっていれば五輪、世界選手権に出場する年齢面の条件はクリアするという案のようだ。2022年の北京五輪では15歳カミラ・ワリエワのドーピング問題があったが、世界反ドーピング機関が16歳以下の選手を「保護対象者」としていたためスポーツ仲裁裁判所(CAS)が女子シングルへの出場を認めた経緯がある。ハーシュ氏はこの提唱であれば、保護対象者の問題も起きないと説明した。

「こうすれば、シマダのような傑出した才能のある選手は五輪デビューを21歳まで待つ必要がなくなる」と説明するハーシュ氏。「確かに、シマダはシニアのトップ選手と比べるとスケーティングの芸術性や洗練度が欠けているかもしれない。それでも、彼女は今季サカモト(坂本花織)を除いた世界のあらゆる(トップシニア)選手を2つのスコアで上回っている」と能力を称えた。

 全日本選手権でも坂本に次ぐ2位だった島田。記事では「良くも悪くも、大会を制するのは技術力(特にジャンプ)だ。この3シーズン無敗のシマダがすでにシニア大会でもメダル候補になることは疑いようがない」「ISUは若い女子選手へのプレッシャー軽減のため参加年齢を引き上げた。しかし、今後4年間にシマダにかかる重圧を想像してほしい」と訴えていた。

(THE ANSWER編集部)


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