全仏V10王手のナダル、セミファイナル圧勝の中で見せた気遣い
圧勝の中で敗者を気遣ったナダル
また、ティエムに不運な面があったことにも言及。「彼はチャンスでブレークできなかった。そういうことは試合の流れを完璧に変えてしまう。こういう試合ではそんなに多くのチャンスはない。その次の瞬間には、トラブルに陥ってしまうんだ。彼はファーストセットにチャンスもあった。セカンドセットの出だしにもチャンスがあった。そこから自分はいいプレーをしたと思う。堅実なプレーで彼にとってはタフな試合になってしまった」と語っている。
ナダルは第1セット第1ゲームでいきなりサービスをブレークされたが、そこから怒涛の4ゲーム連取で試合の主導権を握った。第2セットも第2ゲームでティエムがブレークチャンスを手にしたが、ナダルはこのピンチもしのぎ切っている。
勝負の潮目を逃してはいけない。圧勝の中でも23歳の若手のホープに優しい言葉で教訓を示した「赤土の帝王」。その金言はティエムにとっても大きな財産になったかもしれない。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer