比嘉大吾「自分どこで誰とやってます?」ダウンで記憶飛ぶ 堤聖也との死闘で代償「覚えてない」引退も示唆「もういいかな」
ボクシングのWBA世界バンタム級(53.5キロ以下)タイトルマッチが24日、東京・有明アリーナで行われ、王者・堤聖也(角海老宝石)と挑戦者の同級4位・比嘉大吾(志成)が壮絶な打ち合いの結果ドロー決着となった。判定は3者ともに114-114。高校時代からの親友で、プロでも2020年10月に引き分けだった2人の決着マッチ。堤は初防衛に成功した。比嘉は6年10か月ぶりの世界返り咲きとはならなかった。戦績は29歳の堤が12勝(8KO)3分、29歳の比嘉が21勝(19KO)3敗2分。

WBA世界バンタム級タイトルマッチ
ボクシングのWBA世界バンタム級(53.5キロ以下)タイトルマッチが24日、東京・有明アリーナで行われ、王者・堤聖也(角海老宝石)と挑戦者の同級4位・比嘉大吾(志成)が壮絶な打ち合いの結果ドロー決着となった。判定は3者ともに114-114。高校時代からの親友で、プロでも2020年10月に引き分けだった2人の決着マッチ。堤は初防衛に成功した。比嘉は6年10か月ぶりの世界返り咲きとはならなかった。戦績は29歳の堤が12勝(8KO)3分、29歳の比嘉が21勝(19KO)3敗2分。
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初回は互いにジャブを出しながら探り合う立ち上がり。2回からは積極的に手を出す堤に対し、比嘉がカウンターを狙う展開となった。4回には偶然のバッティングで堤が右目上をカット。一時中断後、両者は一気に距離を詰め、激しく打ち合った。5回、挑戦者の右フックが相手の顔面にヒット。王者は流血しながらも前に出てパンチを繰り出し続けた。
会場は「大吾!」「聖也!」のコールが交錯。比嘉の出身地・沖縄の指笛も響いた。9回、比嘉の左フックが炸裂し、堤がダウン。王者も負けじと右のカウンターでダウンを奪い返した。アリーナは騒然。10回は堤が開始早々から猛攻をしかけるが、比嘉もカウンターを返した。死闘は最終12回へ。大歓声が降り注ぐ中、一歩も引かずに打ち合った。決着は判定へ。結果は3者とも114-114で引き分けとなり、両者は抱擁を交わし、称え合った。
世界返り咲きを逃した比嘉は会見で試合の感想を問われると「覚えておりません! すみません。あまり記憶が……飛んでますね」と答え、色濃いダメージをうかがわせた。ダウンシーンについても「覚えてないんですよね。どういう試合だったか、飛んでおります。入場してリングの上にいた時や、序盤は覚えている。(試合後に掛け合った言葉も)覚えてないんですよね。『ありがとう』じゃないですかね」といい、「覚えてない」を繰り返した。
野木トレーナーもそのダメージを証言。10回の前に声掛けした内容を問われ、「(比嘉が)『自分はどこにいますか? 誰とやってますか?』と言っていた」と説明。聞いていた比嘉が「ヤバ!」と驚き、野木トレーナーは「意識を呼び戻そうとする声かけで精一杯でした。何言ってもわからないだろうと。あの一発はそれだけの打撃でしたね」と9回のダウンについて振り返った。
それでも、やり切ったことは体が覚えている。比嘉は「3か月休んで引退するとなって、この試合決まって3か月ぐらい結構きつかったんで。また簡単にやるとは言えない。あとから悔しくなってくるんですかね。いまもやり切ったと思っている。覚えていないだけで、体はやり切った」と説明。「精神が凄い。試合もダウンしか覚えていないが、あんだけ精神的にも強いし、気持ちも強いと考えたら、俺もデタラメいってるが、気持ち強いっすよね?」と称えた。
試合後、ファンから「辞めないで!」の声が飛んだことも覚えていないという。去就については「もういいかな、と思っている。前回もそうだが、今回はあんまり覚えてないので、悔しいとかない。またやったら辞める辞める詐欺になる。もうこれ以上、頭を打たれたくない。ただでさえ頭悪いので」と引退を示唆した。ただし、「今は休みたい」とまずは休養を優先させるスタンスも明かした。
(THE ANSWER編集部)
