井上尚弥戦を棒に振ったグッドマン陣営の電撃中止舞台裏 完治後の対戦要求は…井上陣営が苦笑い
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥の所属する大橋ジムが11日、神奈川・横浜市内の同ジムで会見した。24日の4団体防衛戦(東京・有明アリーナ)で井上と対戦予定だった挑戦者のWBO&IBF1位サム・グッドマン(オーストラリア)が左目上を再び負傷。対戦中止となり、代役としてWBO11位キム・イェジョン(韓国)と戦うことに。陣営の大橋秀行会長は電撃中止の舞台裏を明かした。戦績は31歳の井上が28勝(25KO)、32歳のキムが21勝(13KO)2敗2分。
大橋ジムが会見
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥の所属する大橋ジムが11日、神奈川・横浜市内の同ジムで会見した。24日の4団体防衛戦(東京・有明アリーナ)で井上と対戦予定だった挑戦者のWBO&IBF1位サム・グッドマン(オーストラリア)が左目上を再び負傷。対戦中止となり、代役としてWBO11位キム・イェジョン(韓国)と戦うことに。陣営の大橋秀行会長は電撃中止の舞台裏を明かした。戦績は31歳の井上が28勝(25KO)、32歳のキムが21勝(13KO)2敗2分。
よもやの一報だった。大橋会長がグッドマン陣営からの情報を知ったのは早朝。「最後のスパーリングで『また切った』とのことです。また負傷して『前回の3倍酷い傷だ』と言われました」と明かした。当初は12月24日に有明アリーナで対戦予定だったが、グッドマンが来日直前のスパーで左目上を裂傷。試合10日前に1か月後への延期が決まっていた。
12月の1度目は相手陣営が報告と同時に延期を要求してきたが、今回は全治半年。大橋会長は「もう延期とかいうレベルの話ではなかった。プロモーターから謝りの言葉もありました」と謝罪を受けたという。完治後の対戦要求を受けたかという記者の問いには「さすがにそれはないです」と苦笑い。そんな立場ではないと相手も認識していたようだ。
グッドマンは昨年5月に井上がルイス・ネリ(メキシコ)を倒した東京D興行を視察。試合後はリングに上がり、対戦を約束していた。しかし、判定勝ちした7月のノンタイトル戦で左手を骨折。今回も2度の負傷により、破格のファイトマネーが手に入るはずだった井上戦を棒に振った。
ボクシングは王者が楽な相手を選び続けることを避けるため、各団体が定期的に「指名試合」を王者に義務付ける。統一王者の井上も各団体の指令をクリアしなければならず、グッドマンはWBOとIBFの2団体で指名挑戦権を保持。井上にとっては1試合で2団体をクリアできるチャンスだった。
大橋会長はグッドマンについて「ボクシングは勝つためには強くなるか、怪我をするかギリギリの戦い。グッドマンも勝つためにやっていたと思う」と配慮。「きっちり傷を治して、また機会があれば戦えればと思います。指名挑戦権を維持しておけばですが」と将来的な対戦を否定しなかった。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)