KO量産ボクサーへ「野性味&破壊力」を復活 「飢えてる」世界王者・武居由樹がKO防衛宣言
ボクシングのWBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が5日、神奈川・横浜市内の所属ジムで練習を公開した。24日に東京・有明アリーナで同級10位ユッタポン・トンデイ(タイ)との2度目の防衛戦を予定。2試合連続で判定勝ちとあって、野性味と破壊力を取り戻すことを誓った。戦績は28歳の武居が10勝(8KO)、31歳のユッタポンが15勝(9KO)。
試合は「Lemino」で独占無料生配信
ボクシングのWBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が5日、神奈川・横浜市内の所属ジムで練習を公開した。24日に東京・有明アリーナで同級10位ユッタポン・トンデイ(タイ)との2度目の防衛戦を予定。2試合連続で判定勝ちとあって、野性味と破壊力を取り戻すことを誓った。戦績は28歳の武居が10勝(8KO)、31歳のユッタポンが15勝(9KO)。
【PR】ABEMA de DAZN、明治安田J1リーグの試合を毎節2試合無料生中継!
武居はシャドー2回の後、八重樫東トレーナーの持つ棒ミットをかわす練習を披露した。ブロックなどで巧みに回避。軽めの動きでじんわりと汗を流した。「自分らしく戦うのが今回のテーマ」。デビューから8戦全KO勝ちで世界挑戦したが、世界戦2試合は判定勝ち。「倒すことに飢えているのでフラストレーションが溜まっている。倒して乗り越えたい」と牙を尖らせた。
挑戦者は、アマチュア時代に五輪2連覇した元WBO世界フェザー級王者ロベイシ・ラミレス(キューバ)を破った実績がある。武居は「独特のリズム、速いパンチがあって、パンチをもらわない技術も高い。体が厚いし、パワーもある」と警戒。タイ人とはK-1時代に4戦全勝だが、全て判定に終わり「独特のリズムに合わせてズルズルと行ってしまった。自分のリズムで戦いたい」と苦い記憶を振り返った。
育ての父として慕う格闘技ジム「POWER OF DREAM」の古川誠一会長と二人三脚でK-1世界王者に。大橋ジムでボクシング転向後は、元世界3階級制覇王者・八重樫トレーナーに師事し、2021年3月にボクシングデビュー。今年5月の東京D興行でジェイソン・マロニー(豪州)から王座を奪い、日本人初のK-1とボクシングの両方で世界王者になった。
9月の比嘉大吾(志成)戦で初防衛に成功。10月は鹿児島合宿で走り込み、体力強化に励んだ。キックボクシングの良さを残しつつ、型にハマらないトリッキーな一面も武器だったが、直近2試合について「ボクシングをしすぎた。判定決着には納得していない」と分析。勝ちに徹した結果だが、KO量産型のスタイルを取り戻す気概だ。
「大吾さんの時は受け身。自分から行ったのは最終回だけ。あれが自分らしさだと思う。受け身にならず、自分から行きたい。ガンガン前に行くスパーをして、技術をつけているところ。考えすぎるとつまんなくなる。あまり考えずにガンガンいこうかなと。(ボクシング転向時は)あまり考えていなくて、初回から行くと思ってやっていた。自信を持っていきます、押忍!」
八重樫トレーナー「従来の破壊力が出る試合になれば」
一方、師匠の八重樫トレーナーは激闘だった2度の世界戦について「厳しい戦いを勝ち抜いた。きつい試合はいい経験になる。王者になって凄く伸びている」と評価。「それを生かせる試合になると思う。相手はタイ人っぽい中でやりづらさと右のカウンターもあるし、油断はできない。パワーもあるけど、ロベイシを攻略する技術もある」と警戒し、愛弟子を後押しする。
「武居のパワーは負けないけど、相手には見えない技術がある。武居の従来の破壊力が出る試合になれば。そこをポイントにしています。流れによりますが、KOに持っていけるようなアグレッシブな戦い方でいきたい。野性味の溢れる良さを出していきたい。これは本人の問題。倒す気概を持ってリングに上がるのがテーマ」
バンタム級は武居のほか、WBAに堤聖也(角海老宝石)、WBCに中谷潤人(M.T)、IBFに西田凌佑(六島)が就き、全4つの王座を日本人が独占。西田は15日に初防衛戦を控え、生き残りをかけた戦いが続く。武居は「(西田と)比べられるので内容では勝ちたい。今回こそはバチっと倒して勝ちたい。力でねじ伏せたい」と力を込めた。
○…メインイベントでは、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)がWBO&IBF1位サム・グッドマン(オーストラリア)と4団体防衛戦を行う。勝てば現役世界最多の世界戦通算24勝(歴代9位)になる一戦。戦績は31歳の井上が28勝(25KO)、26歳のグッドマンが19勝(8KO)。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)