侍Jを襲った4万人完全アウェーの脅威 被弾の北山「甲子園の次元じゃない」 生きる今永の体験「耳元に工事現場」【プレミア12】
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は16日、台湾・台北ドームでオープニングラウンド・グループBが行われ、日本が3-1で台湾を下し3連勝。グループ単独首位に立った。試合は4万人収容のスタンドがほぼ地元・台湾のファンで埋まる完全アウェー。あまりにも特殊な環境で大会初登板を迎えた北山亘基投手(日本ハム)は2回を投げ、ソロ本塁打を浴び1失点。この環境をどう感じたのか。
敵地台湾戦に3-1勝利、侍ジャパンはどう対策した?
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は16日、台湾・台北ドームでオープニングラウンド・グループBが行われ、日本が3-1で台湾を下し3連勝。グループ単独首位に立った。試合は4万人収容のスタンドがほぼ地元・台湾のファンで埋まる完全アウェー。あまりにも特殊な環境で大会初登板を迎えた北山亘基投手(日本ハム)は2回を投げ、ソロ本塁打を浴び1失点。この環境をどう感じたのか。
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日本が3-0とリードして迎えた7回、3番手として登板した北山は先頭から二飛、中飛と打ち取り2死とした。打席には、途中から「8番・捕手」に入っていたタイ・ペイフォン。カウント3-1からの直球が中に入ると、打球は右翼ポールぎわのスタンドへ消えていった。場内は総立ち。記者席のある二階席では揺れを感じるほどだった。
誰よりもそのエネルギーを感じたのが、マウンドに立っていた北山だ。「こういう世界で投げられることに感謝して、かみしめて投げたい」と思いを胸に登板。ただ一、三塁側のベンチ上ではチアガールが舞い踊り、応援歌が大音響で流れ続けている環境。本音は別にあった。
「ヤバかった……。打球音が聞こえないので、どこまで飛んだかという感覚がないんです」。実はその後、8回2死から中飛でアウトを奪った際にも「ホームランみたいな声が聞こえたんで、あ、これ行っちゃうの?」と覚悟していたほどだった。
その中でもしっかり勝った侍には、先人の知恵が受け継がれていた。2019年の前回大会でもベンチにいた金子誠ヘッドコーチは「(台湾中部の)台中での試合だったと思うけれど、投げていた今永(現カブス)が驚いて、耳元に工事現場があるみたいだと言ってたんだよね」。試合前ミーティングでは、選手に一度この環境を感じてから準備するよう伝えた。北山も「ブルペン待機する前に会場をベンチから見てみて、今日はすごいなと。自分がマウンドに立ったイメージで考えたりしていました」。ブルペンにまで大歓声は侵入してきたが、心の準備はできていた。
代表デビューを飾ったスタジアムがこんな環境だったと、忘れることはないだろう。「球場全方向から声が聞こえるので。人生初です。ダントツで。甲子園とかの次元じゃないんじゃないですか」。そしていつかは北山が、後輩にこの日の経験を話す日が来るかもしれない。「この経験をどうつなぐか。これ以上ない経験をさせてもらったので」。大幅に若返った侍ジャパンは、経験を積み上げながら前に進んでいく。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)