難病と戦い、副作用に悩んだ“元天才ゴルフ少女”がプロテスト7度目で突破 平塚新夢、負けず嫌いが繋いだ今
今も通院は継続、プロテストは「正直嫌だけど…」
現在も薬を飲みつつ、2か月おきに通院するなど病と向き合う。今回でプロテスト受験は7度目。最終まで進んだのは3度目だった。
毎年1打届かず涙する選手も出る、独特の緊張感が漂う4日間。今年度は1次予選からの受験者総人数695人で、合格率は毎年3%前後となる難関。平塚も精神的に苦しむ選手の一人だった。「正直嫌だけど、やらないといけないし、頑張りたい気持ちはあるので、感情がいつもごちゃごちゃになります」。2次テストから毎朝、コースに来る前に涙するほどだった。
毎年この苦痛を味わうのは辛い。プロゴルファーではなく、別の道を考えたこともある。諦めきれなかった要因が「負けず嫌い」であることに気付けたのはここ数年のことだ。
「勝負事、勝ち負けがつくものが嫌いだと思っていたんですけど、ある人に『負けず嫌いが強すぎて、負けたくないからやりたくないんだろうね』って言われて。自分の中でかなり腑に落ちたんです。
ゴルフをしていない普通の友達に相談しても、目指せるものがあるだけ羨ましいと言ってもらえる。辞めるのは簡単なので、本当に辞めたくなったら潔くやめればいい。ちょっとでも心残りあるなら、頑張ろうかなと」
ようやく辿り着いたスタートライン。「高校卒業から7年も経っちゃって、長かった」と実感を込める。「シード選手になりたいですね。常にリーダーボードの上位に顔を出せる、安定したプレーで優勝争いしたい」。プロになり、現実的に描ける新しい夢も増えた。回り道したが、一つ一つ叶えていく。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)