紀平梨花は「8.01点差」を埋められるか NHK杯再現へ、勝つべきは“自分との闘い”
感覚ではなく頭を使って跳ぶ、逆転Vの鍵を握る3A2発の出来
調子が悪い訳ではなく、ジャンプ失敗の原因は靴の調整とはっきりしているだけに精神的な不安はないだろう。まだ10代ながらトリプルアクセルの探求心があり、感覚でジャンプを跳ぶのではなく、頭を使って跳ぶタイプの選手だけに、しっかりと対応してくるに違いない。SP後にはこう話していた。
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「いまはすごくフリーに気持ちが向かっています。靴の調整はすごくやらなければいけないですが、自信を持って自分の最大限の実力を出せるようにしたい。フリーでは自分の靴も精神的にも完璧な状態にして、今年最後の試合で自信を持って笑顔で終わるように成し遂げたいです」
5連覇を目指すSP首位の宮原知子とは8.01点差がある。SP5位から逆転優勝したNHK杯のときは、トップと6.58点差をひっくり返した。その原動力になったのはもちろん、フリーで3回転ジャンプの最高峰で基礎点8.00点のトリプルアクセルを見事に2本成功させたからに他ならない。大技を決めた上にクリーンな演技でプログラムをまとめれば、150点台は確実に出る実力をすでに国際大会で証明している。それだけに、今大会でも逆転初優勝の可能性は高いと言っても過言ではないが、それを実現できる鍵は出来栄え加点がもらえるようなトリプルアクセルを“2発”跳ぶことだ。
(辛 仁夏 / Synn Yinha)