井上尚弥、消極的ライバルたちに嘆き「寂しい」 最強ゆえの功罪「フェザー級に上げるしか…」
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は4日、4団体防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)に7回0分16秒TKO勝ちしたが、相手の棄権で消化不良に。消極的な相手が目立つ現状を嘆いた。
一夜明けて会見
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は4日、4団体防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)に7回0分16秒TKO勝ちしたが、相手の棄権で消化不良に。消極的な相手が目立つ現状を嘆いた。
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強くなりすぎたゆえの功罪なのか。強打が売りと目されたドヘニーは前半から後ろ重心。対モンスターなら守勢に回るものだが、消極的と捉えられても仕方ないスタイルだった。井上が徐々に攻勢を強めた7回、左ボディーなどで連打を入れると、腰を押さえながらノロノロとダウン。TKOが決まり、まさかの幕切れとなった。
一夜明け、井上は「フィニッシュシーンは少し不完全燃焼のところもある」と吐露。攻めに出ない対戦相手が目立つことに「そういうスタイルになるのは仕方ない」と受け入れつつ、「そこを自分がどう倒すか(という見方に)しかならない。ただ日本に来て、高いファイトマネーを受け取って、倒されないで終わろうという考えであれば寂しいですよね。自分はやっていてつまらない」と漏らした。
本来ならどの相手も世界トップレベルのはずだが、井上を前にするとアンダードッグに映ってしまう。名勝負は強いライバルがいないと生まれない。ヒリヒリとしたボクシングの魅力を届けたくて汗を流してきたが、現状を嘆く。
「ボクシングは相手あってこそ盛り上がるかどうかのスポーツ。相手が塩(試合)に徹したらそりゃそうなりますよ」
昨年12月に倒したマーロン・タパレス(フィリピン)も後ろ重心を徹底。「ドヘニーはもっと来ると思った。タパレス戦を参考にしたんじゃないですか。明らかにタパレス戦はオフェンス面で(自分の)ミスが結構あって、それに比べてネリ戦はかみ合っていた。そうしたらタパレス戦を(参考に)チョイスするんじゃないですかね」と分析した。