井上尚弥、挑戦者に最大級の警戒「デカい。だからこそKOしたい」 ネリ戦ダウンで「また強くなれた」
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、9月3日に東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)との4団体防衛戦に臨む。8月31日は神奈川・横浜市内のホテルで両者が会見。心境やコンディションなどを語った。NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信。戦績は31歳の井上が27勝(24KO)、37歳のドヘニーが26勝(20KO)4敗。
9.3井上尚弥VSドヘニー
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、9月3日に東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)との4団体防衛戦に臨む。8月31日は神奈川・横浜市内のホテルで両者が会見。心境やコンディションなどを語った。NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信。戦績は31歳の井上が27勝(24KO)、37歳のドヘニーが26勝(20KO)4敗。
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4つのベルトを前に目をぎらつかせた。井上は黒のジャケット姿で登壇。打撃戦に応じるか否かを問われ、「ここで作戦を言っちゃいますか?」と苦笑い。「そこはその場の流れというか、まずは作戦通りというか、しっかりとプランを立てているので、それ通りに戦いながらその中で状況を把握しながら戦いたい」と話すに留めた。
さらに過去に大橋ジムで練習もしていたドヘニーに対する印象を明かした。
「初めて会ったのは(昨年の)ラミド戦前の大橋ジムでのトレーニング。ドヘニーの印象は(後輩の)中嶋一輝を倒した後のインタビューで『僕と戦いたい』と言っていた。その時はまさか戦うわけがないと思っていました。その後に自分のスパーリングパートナーのラミドを倒し、東京ドームでもKO勝ち。そこから現実味を帯びてきた。
(ドヘニーの)ファイトスタイル自体は少しずつ変わってきていると思う。パフォーマンス的には仕上げてきて非常に怖い試合をする印象がある。そこは自分も楽しみにしている」
井上は5月に東京Dでルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ちして以来の試合。初回にまさかのダウンを喫した。この日は初回の入り方を問われ、「それ(ダウン)に対する対策はないですけど、あの1ラウンドがあったからこそ自分はまた強くなれた。ボクシングに対する意識も変わった」と吐露。警戒心を高めた。
「あの試合に関して初回は少し会場の雰囲気にのまれたわけではないけど、気持ちが高ぶったし、気合いも入ったし、ネリの実力もあってああいうシーンが訪れた。それまで自分自身、自分が理想とする初回の入り方を考え直して、そこを父としっかり話ができている。9月3日はそこを徹底したい」
公開練習では「判定決着は許されない」と発言。改めて想いを問われ、「ドヘニーは体も見るからにデカいですし、当日も僕以上にリカバリーをしてくる。そんな相手だからこそKOしたいと思う。もちろんKOだけじゃなく、判定決着でもボクシングの魅力を伝えられる。KOでも判定でもどちらでも準備している」と息巻いた。
「このスーパーバンタム級で戦う中で避けられない一戦。それが今回の相手がドヘニーだった。自分としてはドヘニーの実力を軽くは見ていない。皆さんが言うほど簡単な試合になるとは思っていない」
一方、ドヘニーは「歴史を作るために来た」と気合い。37歳になっても闘志は衰えていない。
「ここまで頑張れた要因はベルトを取り戻すこと。過去3試合は世界戦じゃなかったのでここまでのモチベーションではなかった。今はベルトを獲り返すというモチベーションがある。自分自身が世界王者になれる価値のある選手だと信じ続けること。思ったより長くかかったけど、それを思い続けるのが大切。それがあり続けるからこそ、いい試合をしたい」
井上はKO勝ちなら世界戦9試合連続となり、自身が2019年5月に記録した8試合を上回る日本人最多記録。世界戦通算勝利数は23となり、井岡一翔を抜いて日本人単独最多となる。
オーストラリア在住のドヘニーは、アイルランド国籍を持つ37歳のサウスポー。2018年8月にIBF王者・岩佐亮佑に判定勝ちし、19年4月に2団体王座統一戦に敗れて王座陥落した。井上―ネリ戦では不測の事態に備えたリザーブとして待機したが、出番はなく別の選手に勝利。現在はWBO2位につけ、パンチ力と経験を兼ね備える。
セミファイナルでは、WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が同級1位・比嘉大吾(志成)と初防衛戦を行う。
(THE ANSWER編集部)