山口茜、頂上決戦制して連覇 ライバル撃破のカギとなった“逆転現象”とは?
奥原の準々決勝が山口には大きなヒントに
奥原が準々決勝で対戦したのは、山口のチームメートである峰歩美(再春館製薬所)。第1ゲームは23-21と苦戦したが、第2ゲームは21-8で圧勝。ストレートで勝った。自ら攻撃を仕掛ける場面が多かったが奥原は「相手が峰さんでないと、私より身長が低い選手はいない。その点で、相手の方が自分より粘るプレースタイルが出たと思う」と話していた。
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基本的に身長が低い選手は、打点の高いショットが打てないため、守備がベースとなる。女子シングルスの多くの日本選手が粘り強さを特徴としているのも、そのためだ。元々、奥原も守備やラリーの強さをベースとしているタイプで、少しずつ攻撃力を磨いている。ただ、身長で上回れば、相手より攻めていきやすい。攻撃場面が増えたのは、自然だった。
しかし、山口には良いヒントになった。守り合いのラリーになると自分から攻めたくなるのが課題だが、攻める奥原の姿を見た山口は「峯さんとの試合を見ていて、奥原さんに攻めたくなるような気持ちが見えた。自分はすぐに攻めたくなっちゃうけど、待てば奥原さんも攻めたくなるんだなと思った」と相手に攻めさせるイメージをつかんだ。
山口にとっては、これまでとは異なるスタイルで勝って手ごたえを得る一戦となった。山口も奥原も東京五輪の金メダルを狙う存在。2人の切磋琢磨は、互いのプレーをさらに高めていくに違いない。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)