ヤクルト工場見学で「大谷翔平の映像」を流せる理由 裏にドジャースの太っ腹対応「使っていいと…」
今季から米大リーグ・ドジャースとスポンサー契約を締結した乳酸菌飲料などを手がける大手メーカー「ヤクルト」。昨年末から本格的に交渉をスタートさせ、ドジャースタジアムに2つの広告看板を設置すると、いきなり本拠地初打席で大谷翔平投手の初安打が看板に当たるという奇跡も起きた。6回にわたって伝えるヤクルトのドジャースに対する思い。第3回は広告看板を掲示した後のドジャースの振る舞いについて。今回の契約締結に携わった現地法人・アメリカヤクルト株式会社の三角豊代表取締役社長兼CEOが「スポンサーに優しい球団」と感動した出来事を語ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部・瀬谷 宏)
今季からドジャースとスポンサー契約
今季から米大リーグ・ドジャースとスポンサー契約を締結した乳酸菌飲料などを手がける大手メーカー「ヤクルト」。昨年末から本格的に交渉をスタートさせ、ドジャースタジアムに2つの広告看板を設置すると、いきなり本拠地初打席で大谷翔平投手の初安打が看板に当たるという奇跡も起きた。6回にわたって伝えるヤクルトのドジャースに対する思い。第3回は広告看板を掲示した後のドジャースの振る舞いについて。今回の契約締結に携わった現地法人・アメリカヤクルト株式会社の三角豊代表取締役社長兼CEOが「スポンサーに優しい球団」と感動した出来事を語ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部・瀬谷 宏)
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今季開幕からドジャースタジアムに広告看板を掲示しているヤクルト。交渉に臨んだ三角社長は、過去の大谷の打球の傾向を分析し、右翼ポール際のフェンス部分と左翼スタンド上の2か所を選択した。すると、大谷の本拠地初戦となった3月29日(日本時間30日)のカージナルス戦初回の第1打席で放った右翼線二塁打が、看板に転がり当たった。さらに、4月12日(同13日)のパドレス戦の初回に放った今季の4号ソロが、左翼席看板前に着弾。松井秀喜氏に並ぶMLB通算175号ということで、ヤクルトの看板が映るリプレー映像が何度も流れた。
ドジャース関係者からも祝福されたという三角社長。話はこれだけでは終わらなかった。
「我々は一般の方向けに工場見学を積極的にやっていまして、年間で1万人以上の方に来ていただいています。その見学行程の中で、看板が映った大谷選手のヒットやホームランを打ったシーンのビデオを使ってもいいよ、と先日ドジャースの方から許可をいただきました」
権利関係が厳しいとされる米国の中で、ドジャースが見せた“太っ腹”な対応。「大谷選手のものだけでなく、ムーキー・ベッツ選手もあの看板の近くによく打つんですけど、その映像も使っていいよ、と。本当にドジャースは心が広くてスポンサーを大事にしてくれる球団です。親身になってスポンサーの話を聞いてくれる。比較的、多くのことを受け入れてくれる球団だと思いますし、スポンサーに優しい球団です」とドジャースの姿勢に感謝している。
大谷の本塁打映像に映り込む「Yakult」の看板の広告効果は計り知れないものがあると実感する三角社長。特に南カリフォルニアを拠点に全米での認知度を上げている会社にとって、大谷とドジャースはこれ以上ない頼もしい存在だ。
ドジャースとの契約に注目が集まるヤクルトだが、忘れてはいけないのがエンゼルスとのつながり。大谷が離れた中でも、スポンサーを続けているのには理由があるという。
(THE ANSWER編集部・瀬谷 宏 / Hiroshi Seya)