【廣瀬俊朗の目】世界選抜に大善戦の日本代表 「凄く効果的」と絶賛した選手は?
次戦のNZ代表戦ではさらに“日本らしい”戦いを
0-12の前半21分。SO田村優(キヤノン)のキックパスを受けた福岡は、巧みにステップを切り、ディフェンス2人を抜き去りトライ。まさに持ち味を発揮した局面だった。
「日本が今テーマに掲げていることの一つは混とん状態での対応。アンストラクチャー(整っていない)な状況を作り出す上で、ああいう足の速い選手はすごく効果的。ボールをもっているときも、ボールを持たずに追いかける時の動きも良かった。判断もすごく良かった。以前はもう少し波がありましたが、大人になりましたね」
トライだけでなく、しっかりとボールを前線に運び、ディフェンスでも存在感を発揮した背番号11のプレーを高く評価した。日本代表の武器を印象付ける一方で、課題は自陣からのアタックだという。
「特に日本代表は自陣22mくらいからの相手ボールのセットプレーで点をとられてしまう。いかにして自陣でのセットプレーを作らないのかを考えないといけない。そのためには、どうやって敵陣にボールを運ぶのかをもっと突き詰めて実行していきたい。また不必要な反則をしないように規律も求められる。そこからどう敵陣に入っていくのかが課題。攻守の起点であるスクラム、ラインアウトの課題も出ました」と冷静に分析した。
日本開催で大きな期待を集める2019年ラグビーワールドカップまで1年を切った。コアメンバーは固まり、あとはいかに戦術をブラッシュアップできるのかがカギになる。
「今日の試合に満足はできないが、1試合目にしては悲観するものではない。次のオールブラックスの試合は日本らしい、今日の試合の後半のようなプレーを期待したい」。11月3日には世界ランク1位のニュージーランド代表と戦うが、日本らしさを発揮したこの日の後半のようなプレーができれば、光明も見えてくるという。
収穫も課題も見つかった秋のテストマッチ3連戦の初戦。「ここからパフォーマンスは上がっていくと思います」と廣瀬氏。“オールブラックス”を相手にどんな試合を演じられるのか。大いなる期待をもって、見守りたい。
(THE ANSWER編集部)