【廣瀬俊朗の目】世界選抜に大善戦の日本代表 「凄く効果的」と絶賛した選手は?
ラグビー日本代表は26日、「ジャパンラグビーチャレンジマッチ2018」で世界選抜と対戦。大規模な改修工事を終えた花園ラグビー場のこけら落としとなった一戦は28-31で惜しくも敗戦。それでも前半終了時に最大17点差をつけられながらも、後半の猛反撃で3点差まで詰め寄った。世界選抜は南半球の強豪国を中心に招集された即席チームながら、選手は個人能力に長けた、“格上”の相手との戦いから見えてきたものとは――。元日本代表主将の廣瀬俊朗氏(ラグビーワールドカップ2019アンバサダー)に聞いた。
元日本代表主将・廣瀬俊朗氏が世界選抜戦を徹底解説
ラグビー日本代表は26日、「ジャパンラグビーチャレンジマッチ2018」で世界選抜と対戦。大規模な改修工事を終えた花園ラグビー場のこけら落としとなった一戦は28-31で惜しくも敗戦。それでも前半終了時に最大17点差をつけられながらも、後半の猛反撃で3点差まで詰め寄った。世界選抜は南半球の強豪国を中心に招集された即席チームながら、選手は個人能力に長けた、“格上”の相手との戦いから見えてきたものとは――。元日本代表主将の廣瀬俊朗氏(ラグビーワールドカップ2019アンバサダー)に聞いた。
花園でのこけら落としのゲームを白星で飾ることはできなかったが、金星寸前まで迫った。前半で4トライを許し、折り返しは7-24。このままズルズルいくかと思われたが、後半は日本らしさを発揮。最後の最後まで逆転を伺う展開で、“新生花園”に詰め掛けた1万6846人のラグビーファンを最後まで沸かせた。
結果はわずかに3点差。スコア的には大善戦と言えるが、廣瀬氏は「勝てる試合だった」と悔しがった。特に前半の立ち上がりだ。何度も攻撃のフェーズを重ねたが、トライを取り切れず、逆に相手のファーストアタックでトライを奪われた。
「最初にいい感じで攻めたが、そこで点を取れずに、相手のスペシャルプレーで失点してしまった。バックスの選手に走られましたね。FWのセットプレーも苦労しました。個の力では負けていた。そこの差はどう埋めるのか、これは引き続き課題ですね」
世界選抜はニュージーランド(NZ)代表キャップ103を誇るマア・ノヌーらを擁する、タレント軍団。強靭なフィジカルとスキルをもつ相手だ。やはり個対個の争いでは劣勢を強いられた。
廣瀬氏は「前半途中からペースアップ出来なかったですね。後半からはペースアップして、相手のミスもあり3点差まできた。もう少しというところまできた。いいところもたくさんありました」と敗因を分析しつつ、収穫も強調した。
ジェイミージャパンの戦い方の一つにあるのがキック。しかしこの試合では、世界選抜にうまくキックを使われ後手後手に回った。
「前半はキックでエリアの取り方で負けていた。後半は相手の交代もあり、キックをうまく使って流れを作ることができましたね」
秋のテストマッチ3連戦の初戦。やはり国内リーグとのギャップに苦労するのは常だという。その点では後半に順応し、きっちり追い上げられたことは収穫の一つだ。
特に存在感が際立ったのはウイングの福岡堅樹(パナソニック)だという。「福岡選手は良かった。持ち味も出した。しっかりゲインすることができた」と拍手を送った。