バスケ界の「不文律」破ったラストプレー 日本代表ハレルソン、批判覚悟で決めた2点の意味
「3ビッグ」フォーメーションも機能
Bリーグでは、同じ勝率で並んだチームの順位決定は、直接対決での「勝率」「得失点差」「1試合当たりの平均得点」を順に適用して順位を決定する。佐賀と川崎は所属地区が違うため、レギュラーシーズンではこの2連戦のみの対戦。2試合とも同じ点差で星を分けた両チームは、条件をイーブンとした。
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続く条件である「リーグ戦全体での得失点差」では川崎が優位だが(川崎が+151、佐賀が+11)、佐賀にとっては今後の戦い次第で、ひっくり返せる可能性を残したシュートだったのだ。
また、佐賀としてこの連戦での収穫となったのは、「3ビッグ」フォーメーションの躍動だった。佐賀はキューバ代表のポイントガード、レイナルド・ガルシアが機動力とパワーを発揮する一方、帰化選手であるハレルソンがインサイドでの強度を担う。だが、この2連戦では、ハレルソンとフィーラーが同時起用された時間帯に、これまたインサイドでの強みを見せられるヨーリ・チャイルズがコートに立った。その手応えについても、ハレルソンはコメントしている。
「3ビッグのラインアップは、シーズン中にはそこまで使っていませんが、前日にガルシア選手がファウルが込んでしまったこともあって、3ビッグを長く使うことになりました。それでも、3ビッグの時間は全体的に上手くいったと感じています。こちらが3ビッグを使えれば、川崎さんが使ってくるフォーメーションにも上手くマッチアップできるでしょうし、そこが機能したポイントだと思っています」
B2昇格初年度にして、CS戦線に踏みとどまっている佐賀。2021-22シーズンに、当時の群馬クレインサンダーズが記録した昇格組でのシーズン最多勝記録にも、あと2つに迫る。Bリーグ誕生後に発足したクラブである佐賀がB1までたどり着き、Bリーグ発足以前からの強豪である川崎を相手に収めた勝利は、また一段とチームを成長させることだろう。ハレルソンも、この1勝をさらなる糧とするよう意気込んだ。
「我々にとっては本当に大きな勝利です。川崎さんはBリーグが始まって以来の常勝チームで、そこを倒すことができた。この勢いに乗りたいところですが、水曜日には島根スサノオマジックとの対戦もある。ここから連敗などをしないように、勝ち続けていければと思います」
(荒 大 / Masaru Ara)