「時期尚早の声もある」 わずか8戦目で世界挑戦・武居由樹、八重樫トレーナーが信頼する理由
これなら世界を獲れると思った瞬間は? 八重樫氏「ないです」
競技転向で最も苦労したのは「ラウンド数」という。最大3回が基本のK-1とは違い、ボクシングの世界戦は12回。「前はバーンと飛ばしていけたけど、12回だと頭を使わないといけない」と少しずつ覚えてきた。わずか8戦での世界挑戦。八重樫トレーナーは「これなら世界を獲れる」と思ったタイミングを聞かれ、「ないです」と率直な意見を口にした。
「世界挑戦に完璧なタイミングなんてありません。時期尚早と言われ、いろんな意見もあるけど(東京Dに出られるのは)最高のタイミング。(王者を相手にすれば)世界挑戦は不利予想になるもの。(世界挑戦は)準備をしていないところでチャンスが来るものなんです。
あと2か月どうするか。試合は僕が理詰めで伝えて、彼が自由にやる。それでいいんです。野性味がありますし、首輪は使わない。放し飼いです。彼を信じてます」
それだけリング上で発揮する格闘技センスを信頼しているということだ。
王者マロニーは20年10月に米ラスベガスで井上に世界挑戦し、7回KO負け。21年8月に再起すると、井上が返上したWBO世界バンタム級王座を23年5月に獲得した。今年1月に初防衛成功。再起後6連勝中の実力者だ。マイク・タイソン以来34年ぶりの東京Dボクシング興行。K-1とボクシングで世界王者になった日本人はいない。「誰もやったことがないことをやってみたかった」と武居は歴史的一日を見据えた。
「大舞台で強敵との試合。今までも自分のイメージしていない動きをして倒してきた。当日までと当日の自分の成長に期待したい。倒すか判定で持って行かれるか。一発を当てて倒したい。当てるまでの過程を八重樫さんとすり合わせたい。バチっと倒して勝ちます」
○…興行はAmazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第8弾として独占生配信される。井上と武居のほか、井上の弟のWBA世界バンタム級王者・拓真(大橋)が同級1位・石田匠(井岡)と2度目の防衛戦を行う。WBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が同級3位・桑原拓(大橋)と初防衛戦。同じ興行で世界戦4試合は国内最多3試合を超える規模となる。
(THE ANSWER編集部)