井上拓真KO防衛に父・真吾トレーナー涙 尚弥戦でもない感動「思い入れがある。ウルウル来た」
ボクシングのWBA世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)が25日、初防衛戦から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・両国国技館で世界戦初のメインイベントを務め、同級9位ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に9回44秒KO勝ち。涙のKO防衛を果たした。リング上では父・真吾トレーナーも涙を流していたという。次戦は兄・尚弥と5月の東京D興行に向かうことが濃厚となった。
一夜明け会見
ボクシングのWBA世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)が25日、初防衛戦から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・両国国技館で世界戦初のメインイベントを務め、同級9位ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に9回44秒KO勝ち。涙のKO防衛を果たした。リング上では父・真吾トレーナーも涙を流していたという。次戦は兄・尚弥と5月の東京D興行に向かうことが濃厚となった。
KO防衛を飾った拓真は意気揚々と会見した。「ボクシング人生で一番いい内容の試合だった」。前夜は兄・尚弥ら家族と食事をした後、興奮で眠れず試合映像を2度見返した。SNSやネット記事に目を通し、「普段の自分だったら褒められることがない。昨日は褒められている内容の記事も多くあって嬉しかった」と喜んだ。
「正直、KOできると思っていなかった。結果は想像以上。父と『くっついたらボディー、ボディー』と頭に入れてやってきた。接近戦の自信もついたし、修正点もあるのでもっともっと強くなれる。楽しみですね」
この日は真吾氏も饒舌。「いろんな思い入れがあるんです」。離れて暮らす次男を家に呼び、数年ぶりに一緒にスパーリング映像を研究。「細かく何でも言ってきた。アクション、フェイント、『ここもったいないじゃん!』とか」。拓真は9回、接近戦からえぐるように右ボディー。練習通りの一撃で「過去最強の相手」と警戒したアンカハスを悶絶させ、KO防衛を飾った。
「尚弥と拓真の試合で初めて涙をこぼしました。尚弥は凄くいい試合があるけど、拓真はまだ殻を破れていなかった。それは自分も、本人もわかっていたので、それを破ってくれた思って。普段は(パンチの後に)見てしまう。それを攻撃的に狙うことができた。ウルウルと来ましたね。尚弥と比較されるし、それは僕も親として暗黙でわかる。殻を破って(涙が)来ちゃいました」
拓真も「父のそういう気持ちも伝わってきた」と練習期間を振り返る。「興奮が残っているので、この後も練習をやりたいくらい」と息巻くが、休養を1週間ほど挟む予定。指名試合となる次戦はWBA1位・石田匠(井岡)が相手となる。陣営の大橋秀行会長によると、5月に東京Dで計画される尚弥―ルイス・ネリ戦に拓真も入る見通しという。
「同じ日に試合をするのは切磋琢磨して、高め合いながらやれるのでいいこと。目標を達成するまで負けられない。次も見せ場をつくりたいですね。気持ちは絶好調なのでこのまま突っ走りたいです」
WBC王座を奪取した中谷潤人、IBF王者エマヌエル・ロドリゲス、WBO王者ジェイソン・マロニーが君臨するバンタム級。日本人7人の世界ランカーがいるが、拓真はその中心に立つために拳を振る。
(THE ANSWER編集部)