井上尚弥、強すぎる故に浮上する意外な悩みとは? 「今回は課題を見極める前に…」
「仕事は早ければ早いほうがいい。ダメージもないし」
バンタム級昇級初戦の5月25日のジェイミー・マクドネル(英国)戦は112秒でKO勝ち。そしてこの日はわずか70秒。2戦合わせても182秒だ。井上のハードパンチャーぶりにますます磨きがかかっているが、一方で新たな悩みも持ち上がる。
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「前回もそうでしたが……。(前回は)ラフになって大振りになったという課題はあったが、今回は課題を見極める前に終わった。まぁ一つ一つ集中して1日1日やっていけばいいのかなと。試合に関しては物足りなさは……。勝ち方は満足していますし」と少し歯切れが悪かった。バンタム級での2試合は井上があまりに強すぎるあまり、長い試合ができていないのは事実。「仕事は早ければ早いほうがいい。ダメージもないし」と振り返る通り、ぜいたくな悩みなのかもしれないが、課題らしい課題が見つからないまま、次の試合へ向けて調整するという状態が続いているのだ。
スーパーフライ級時代は強すぎるあまり、相手が見つからなかったのもうなずける圧勝劇。伝統的に強豪がそろうバンタム級に転向後は、今度は強すぎて課題が見つからないという、また新たな悩みが生まれたようだ。
準決勝の相手は、10月20日に米フロリダ州オーランドで行われる、18戦全勝のIBF王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と同級3位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)の勝者。順当ならロドリゲスの勝ち上がりが有望視されている、このカードを、井上は大橋会長らと共に視察する予定。3月に米国内での開催が濃厚な次戦へ向けて、どんなイメージを描いていくのか。強すぎるモンスターはすぐに、次への一歩を踏み出していく。
(THE ANSWER編集部)