いまだ優勝ゼロも密かな優位性 Jリーグの10年後を左右する重要ファクターとは
ひしめく逸材たち、今年は甲府も貴重な経験
2008年の世界大会に出場した三好康児はそれらの逸材の“代表格”だ。各年代の日本代表にも選出され、高校生でプロ契約を結んだ。昨年4月4日のアルビレックス新潟戦でプロ初出場を果たしている。川崎の次代のエース候補としてすでに頭角を現し始めている。
昨年のダノンネーションズカップ日本大会でも優勝し、U-12の選手たちは世界大会を経験。今年3月に駒沢オリンピック公園で行われた「ダノンネーションズカップ2016 in JAPAN」では準々決勝で大宮アルディージャジュニアにPK戦の末に敗れ、惜しくも敗退したが、10年間で6度優勝した下部組織の優位性は10年後のトップチームにとって揺るがぬ財産となる。
そして今大会優勝したのは決勝戦で横浜FマリノスのプライマリーをPK戦の末に破ったヴァンフォーレ甲府U-12。甲府は今季15位。毎年熾烈な残留争いを演じているが、国際大会で経験値を積むことになるU-12チームのスーパー小学生たちが順調に成長していけば、チーム力も上がっていくだろう。
トップチームが常に優秀な選手を揃え、勝ち続けるのは容易なことではない。クラブの予算規模が小さければなおさらだ。いかに自前の選手を育て、チーム力を底上げできるか。トップの戦いだけでなく、若い年代の戦いに目を向け、総合的なチーム力を見てみるのも面白いかもしれない。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer