井上尚弥出場のWBSS、問題児ネリの参戦を拒否していた 「信用に値しない」と一蹴
ザワーランド氏「スポーツ界にドーピングの介在する余地はない」
ネリは過去に2度スキャンダルを起こしている。昨年8月の当時WBC世界バンタム級王者の山中戦で4回TKO勝ちを収めたが、翌月にドーピング検査で禁止薬物ジルパテロールの陽性反応が出た。今年3月の山中との再戦では前日計量で118ポンド(53.5キロ)の規定を5ポンド(2.26キロ)も超過。123ポンドを計測し、試合前に王座を剥奪されていた。
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ネリは2回でTKO勝ちを収めたが、WBCから無期限資格停止処分を言い渡された。その後、無期限資格停止処分が6か月に変更されたため、10月開幕のWBSSには間に合ったが、ザワーランド氏は問題児の参戦を断固拒否した。
「確かにウェートに関しては計量の瞬間までわかりません。誘惑にケーキ1個でも口にしてしまえば体重超過という厳しい世界です。しかし、ネリは(山中戦で)一度ウェートを作りませんでした。そして、他の一度はウェートを作りましたが、それはファットストリッパー(筋肉増強剤)によるものです。彼はウェートを作るかどうかという賭けがあるなら、私自身も“作らない”の方に賭けたでしょう。それが決定的な要素です。彼はリスクです。モハメド・アリの名前をかけたトロフィーとWBSSのブランディングを汚すという判断です。スポーツの世界にドーピングの介在する余地はないのです」
こう語る口調は厳しい響きを帯びていた。「神の左」と呼ばれたレジェンド・山中のラストバトルで2度に渡る違反を犯したネリ。WBSSという最強王者を決めるボクシング界の最大の祭典に、自らの愚行が理由で立つことは許されなかったのだ。
(THE ANSWER編集部)