B1連覇へ「3ビッグ」誕生 米出身カークが日本に帰化、王者・琉球の新たな武器と「贅沢な悩み」
バスケットボールB1の2023-24シーズンは、「5分の3」をちょうど消化したタイミングだ。リーグ終盤戦、チャンピオンシップの行方を左右するビッグニュースが、1月25日に琉球ゴールデンキングスからリリースされた。それはアレックス・カークの帰化(日本国籍取得)に関する内容だった。
帰化選手となった琉球のアレックス・カークが古巣のA東京戦に出場
バスケットボールB1の2023-24シーズンは、「5分の3」をちょうど消化したタイミングだ。リーグ終盤戦、チャンピオンシップの行方を左右するビッグニュースが、1月25日に琉球ゴールデンキングスからリリースされた。それはアレックス・カークの帰化(日本国籍取得)に関する内容だった。
米国出身のカークは現在32歳で、今季から琉球に加わった211センチ・114キロのセンター。初来日は2017-18シーズンで、アルバルク東京に6シーズン所属し、Bリーグ2連覇にも大きく貢献した選手だ。
琉球はBリーグでも有数の実績を持つビッグマンを「外国籍」とは別枠で起用できるようになった。帰化選手、アジア特別枠は「合計1名」しか起用できないのだが、とはいえ外国出身選手を2名でなく同時に3名起用できるとなると、コート上のインパクトは大きい。
カークは12月1日から腰椎椎間板ヘルニアによりインジュアリーリスト(故障者リスト)に入っていたが、1月31日の佐賀バルーナーズ戦からリーグ戦に復帰。「日本国籍のカーク」として迎える2試合目と3試合目が、彼の古巣で、現在勝率2位の強豪・A東京戦だった。
3日の試合はオーバータイム(延長戦)にもつれ込む激闘の末に琉球が80-91で敗れ、4日の試合は76-74で琉球が取り返す熱いシリーズだった。
琉球にはアレン・ダーラム、ヴィック・ローというスキルの高い外国籍ハンドラーがいる。特にローは完全にウイング(スモールフォワード/シューティングガード)系の選手だ。カークが外国籍枠から外れたことでカーク、ダーラム、ローという「3ビッグ」のラインアップが実現した。
3日の試合後に桶谷大ヘッドコーチは、「3ビッグ」についてこう解説していた。
「ヴィック(・ロー)がアウトサイドで自由にやれるところはチームにとってプラスです。あとディフェンスのところでも大きいラインアップに対抗できるところは強みになります。今まで相手が3ビッグのところで押されている、イニシアチブを取られるシーンがかなりありました。なのでアレックスが入ってきたのは、このチームにとってすごくありがたい」
Bリーグが2016年秋に開幕してから、日本国籍を取得する外国出身選手が増えた。今季限りの引退を決めているニック・ファジーカス(川崎)やギャビン・エドワーズ(宇都宮)、ジョシュ・ホーキンソン(SR渋谷)といったB1でもトップレベルのインサイドが過去に帰化をしている。A東京にもライアン・ロシターという超強力な帰化選手がいる。
2022-23シーズンの琉球は「帰化選手も竹内兄弟もいないチームがB1チャンピオンシップを制した史上初めての例」だったのだが、そんなチームにカークが帰化選手として加わることになった。