「自業自得ですけど…」 宇野昌磨、愛用するスケート靴の交換を決めた理由 発端は競技者の視点【全日本フィギュア】
フィギュアスケートの全日本選手権は21日、長野・ビッグハットで男子ショートプログラム(SP)が行われた。連覇と6度目の優勝のかかる宇野昌磨(トヨタ自動車)が104.69点で首位発進。「競技者として戦いたいと思った以上、必要」とジャンプ練習に比重を置いて迎えた大会。使用3年目になるスケート靴を「全日本が終わったら変えようと思いました」と話し、その理由も明かした。
フィギュアスケート全日本選手権男子SP
フィギュアスケートの全日本選手権は21日、長野・ビッグハットで男子ショートプログラム(SP)が行われた。連覇と6度目の優勝のかかる宇野昌磨(トヨタ自動車)が104.69点で首位発進。「競技者として戦いたいと思った以上、必要」とジャンプ練習に比重を置いて迎えた大会。使用3年目になるスケート靴を「全日本が終わったら変えようと思いました」と話し、その理由も明かした。
優雅な演技とは裏腹に、宇野はジャンプの不安定さを感じていた。冒頭の4回転フリップに着氷。続いて4回転―3回転の連続トウループを予定していたが、4回転―2回転になった。その後の3回転アクセルも成功したが「感触はとてもよくなかった」と取材を受けたミックスゾーンで振り返った。
「6分間練習からずっと不安定でした。良い演技でしたけど、もう1回やったら悪い演技が出かねなかったなというのが正直な感想。SPはいっつも良くやったなって言ってる気がしますけど(笑)」
上位を狙うには、ジャンプで得点を伸ばすことも重要。だからこそ練習で比重を上げた。「楽しい練習ではなかったところではあります」。表現力を伸ばすことを目標に掲げた今季。「マリニン君の影響は大きい」と驚異の4回転ジャンパー、イリア・マリニンの存在がジャンプに目を向ける理由の一つになった。「目指したいものから離れてしまうけど、競技者として戦いたいと思った以上、ジャンプも必要」と頭の中で消化できている。
使用3年目に突入しているスケート靴は、ジャンプ練習に合わなくなってきた。愛用する一足だが「これはもう、全日本が終わったらスケート靴を変えようと思いました。自業自得ですけど、自分が柔らかいのが好きなので(交換を)先延ばしにしていた。こっちに来てから昨日、今日、6分間練習とジャンプの感触が全然違うので」と苦笑いした。
フリーは23日。優勝すれば、羽生結弦に並ぶ6度目のV。その時点で来年3月の世界選手権代表に決まる。「本当はジャンプがどうというのを考えたくなくて、プログラムの『ここを見てほしい』と言える余裕を持ちたい」と正直な胸の内を口にしながら「試合が終わった後に、自分が笑顔になる演技をしたい」と意気込んだ。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)