「ファジーカスVS宇都宮」をもう一度 初来日から12季、現役最後のライバル対決実現への期待
2012年の初来日以来、川崎ブレイブサンダースのニック・ファジーカスは日本バスケットボール界の歴史に名を残す活躍を見せ続けてきた。今シーズン限りでの引退を表明して戦う中、12月9日・10日に行われた第11節で、長年激闘を繰り広げた宇都宮ブレックスとの一戦に臨んだ。
現役ラストシーズンのファジーカス、ライバル宇都宮相手に今季初の2連敗
2012年の初来日以来、川崎ブレイブサンダースのニック・ファジーカスは日本バスケットボール界の歴史に名を残す活躍を見せ続けてきた。今シーズン限りでの引退を表明して戦う中、12月9日・10日に行われた第11節で、長年激闘を繰り広げた宇都宮ブレックスとの一戦に臨んだ。
ファジーカスが当時の東芝ブレイブサンダースに加入した2012-13シーズン以降、宇都宮(19年まではリンク栃木ブレックス)とはレギュラーシーズンや天皇杯、ポストシーズンと様々な舞台で火花を散らした間柄。だが今季のB1リーグでは宇都宮が東地区、川崎が中地区と所属地区が異なるため、レギュラーシーズンでの対戦はブレックスアリーナ宇都宮で開催される、この2試合のみとなった。
今季、川崎は「NICK THE LAST」と銘打ち、試合を行う各地のアリーナにファジーカス直筆のメッセージボードを設置している。宇都宮へ向けたメッセージでは「他には例えられないほどの敬意を持っています」とし、「自分自身を引き上げてくれる存在であったことに感謝しています!」など、長年のライバル関係を噛み締めるような言葉が並んだ。
宇都宮との2連戦の終了後、改めてファジーカスに宇都宮戦での思い出を訪ねてみると、激闘の記憶は今でも鮮やかに残っているようだった。
「NBLで優勝を果たした2015-16シーズン、プレーオフのセミファイナルをこの場所で戦い、宇都宮に勝ってファイナルへ進むことができました。天皇杯ではさいたまスーパーアリーナでセミファイナルやファイナルを戦ったこともありました。ブレックスとは12年間ずっと戦って、大一番で当たるからこそ、というライバル意識もあったと思います」
川崎も宇都宮も移籍を挟まずに在籍し続ける選手が多いこと、また、宇都宮には比江島慎や竹内公輔のように、日本代表でも苦楽をともにした選手たちが多く在籍する。ある意味、宇都宮との対戦は、ファジーカスにとっては戦友との戦いでもあっただろう。
「例えば遠藤(祐亮)や渡邉(裕規)はずっと戦ってきた相手です(筆者注:渡邉はファジーカスの来日当時はパナソニックに在籍し、2013-14シーズンより当時の栃木へ移籍)。僕が覚えている限り、いつも見てきた選手です。手強い相手で、時には『あまりやりたくない、なんなら少し嫌い(dislike)』という感覚になることもありましたが(笑)、もし一緒にプレーできていたら彼らは好きな選手の1人になったはずです。(ブレックスにおいての)遠藤や渡邉のような選手、そして彼らのキャリアにもリスペクトをしたいです」