大学屈指の“元ビッグマン”が見せた進化 プロで生き抜くために…バスケ佐土原遼の選択
昨今の日本バスケは「日本人ビッグマン受難」の時代だ。Bリーグは外国籍選手のオン・ザ・コートが2枠で、帰化選手もしくはアジア特別枠は「プラス1枠」で起用できる。つまり能力の高い外国出身選手を同時に3名コートに立たせられるルールで、ビッグマンは得てして厳しい競争にさらされる。大学バスケで大活躍をしていた大型選手は、ポジションをアウトサイドに移してプロに適応するケースが多い。
群馬戦で11得点、アウトサイドでのプレー精度が向上
昨今の日本バスケは「日本人ビッグマン受難」の時代だ。Bリーグは外国籍選手のオン・ザ・コートが2枠で、帰化選手もしくはアジア特別枠は「プラス1枠」で起用できる。つまり能力の高い外国出身選手を同時に3名コートに立たせられるルールで、ビッグマンは得てして厳しい競争にさらされる。大学バスケで大活躍をしていた大型選手は、ポジションをアウトサイドに移してプロに適応するケースが多い。
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ファイティングイーグルス名古屋に所属する佐土原遼は、東海大で大活躍を見せていた「元ビッグマン」だ。大学3年時にインカレ制覇を経験し、4年時は関東リーグのMVPに輝いた。同級生の八村阿蓮(現・群馬クレインサンダーズ)とともにインサイドでプレーし、他校の外国人留学生とも渡り合う能力を見せていた。身長こそ192センチと「中型」だが、100キロ近い体重を持つ屈強なタイプだ。
昨季まで所属していた広島ドラゴンフライズではロールプレーヤー(平たくいえば脇役)として起用されていた。しかしFE名古屋加入後は、スモールフォワード(SF/3番)とパワーフォワード(PF/4番)で起用されつつ、プレーの幅をはっきり広げている。
12月3日の群馬戦は23分2秒のプレータイムで11得点、5リバウンド、3アシストを記録し、89-79の勝利に大きく貢献した。特に第3クォーターの冒頭5分はリバウンドに連続シュート、アシストと得点に関わるプレーを連発。46-35から64-42と一気に点差を広げる猛攻の中で、5分間に11得点を挙げている。
川辺泰三ヘッドコーチ(HC)は、この時間帯について「ディフェンスがピタッとハマりました。オフェンスは途中、向こうがスペインピックに対して守れないことが分かってきたので、それを増やそうというのが3回連続で点につながりました」と振り返る。
佐土原はこう説明する。
「前半からチームとしてパスがよく回っていたので、いずれか自分で打てるタイミングが来るだろうなとは思っていました。前半は自分のタイミングでシュートを打てる場面があまりなくて、でも別にアシストに回って川嶋(勇人)選手やジェレミー・ジョーンズ選手の決めるシーンがあったので、自分の中でも『いいな』と思っていました。前半そちらのシュートが入ってくれたおかげで、自分のマークが緩くなってパスも回ってきて、イージーに打てる場面が多かったです」
チームオフェンスや試合の流れの中で「佐土原が空いた」という背景はあるのだが、それを決めきったところに大きな意味がある。今季の彼は3ポイントシュートを37.2%と高確率で決めていて、1試合の平均得点も「7.1」と伸びている。