B1トップのスタッツで証明 バスケ仙台の新エースへ、名PGも絶賛する阿部諒の“球際の嗅覚”
長崎戦では日本代表の馬場雄大と五分に渡り合う
仙台はオフェンスの柱だったラショーン・トーマスが負傷により長期欠場中。そんな中で阿部はハンドラーとしても大きな貢献を見せている。そこまでのスピードは感じないが、相手が「飛び込めそうで飛び込めない間合い」でボールを持ち、ゆらゆらとボールを運んでいく。プレーメイクはそもそも彼の強みで、3.8アシストはチーム最高だ。
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8日の秋田ノーザンハピネッツ戦(87-66)は相手がインサイドを締めて、仙台のインサイドを警戒する対応をしてきた。その試合で阿部は24得点を挙げてチームのポイントリーダーになっている。11日の長崎ヴェルカ戦(94-70)は相手ディフェンスが高い位置から「圧」をかけて守ってきたが、阿部は手薄になったインサイドにパスを配球して8アシストを記録した。守備では主に日本代表の馬場雄大とマッチアップしていたが、五分に渡り合っていた。
彼は「シュートだけ」「ディフェンスだけ」でなく、どんな試合展開でも活かせる持ち味がある。自身は3ポイントシュートの成功率(現在33.9%)、ターンオーバーの多さ(平均2.1)を課題に挙げるが、仙台を支えるエース格になっていることは間違いない。
脇役から主役に躍り出た阿部は、最後にこう口にする。
「(島根とは)役割が変わった中で、こうやって僕自身の強みのドライブを引き出してもらっている。最初に『日本人のアタックがチームとして大事』『それを引っ張ってほしい』と言われたのがすごく嬉しかったです。その実現にやりがいを感じています」
(大島 和人 / Kazuto Oshima)