B1トップのスタッツで証明 バスケ仙台の新エースへ、名PGも絶賛する阿部諒の“球際の嗅覚”
今季のバスケットボールBリーグで、特別なブレイクを見せている選手が仙台89ERSにいる。新加入の阿部諒は開幕から14試合すべてに先発し、平均出場時間は27分29秒。平均得点は「13.0」で、帰化を除く日本人選手の中ではリーグ6番手につけている。平均スティール数「2.0」はB1全体のトップで、ディフェンス面の貢献も見逃せない。
1試合平均スティール数「2.0」はB1リーグ1位の数字
今季のバスケットボールBリーグで、特別なブレイクを見せている選手が仙台89ERSにいる。新加入の阿部諒は開幕から14試合すべてに先発し、平均出場時間は27分29秒。平均得点は「13.0」で、帰化を除く日本人選手の中ではリーグ6番手につけている。平均スティール数「2.0」はB1全体のトップで、ディフェンス面の貢献も見逃せない。
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昨シーズンの仙台は19勝41敗と低迷していたが、今季はここまで7勝7敗。阿部の仙台移籍は本人、チームにとって素晴らしい出会いだった。
28歳の阿部は184センチ・82キロのシューティングガード。2018-19シーズンに島根スサノオマジックと契約し、5シーズン所属していた。昨シーズンの出場時間は平均16.51分で、B1の強豪でローテーションに入ってはいた。ただ島根時代の阿部は完全なロールプレーヤー(平たくいえば脇役)で、昨季の平均得点は3.8、一昨季は4.7にとどまっている。安藤誓哉、ペリン・ビュフォードといった主役の強みを引き出す側にいて、攻撃時はほとんどボールに触らず、コーナー待機で「幅を取る」役割だった。
仙台の藤田弘輝ヘッドコーチ(HC)は獲得の狙いをこう口にする。
「自分はリクルートでいっぱい映像を見る派で、いっぱい見ていっぱい悩むんです。島根さんのプレースタイル的には阿部ちゃんはボールを持たないことが多かったので、一番シュートを打った試合を5試合くらい見ました。ピック&ロールはあまり使わないですけど、でもオフボールの動きやクローズアウト(ディフェンスが間合いを詰めてきた時)の攻め方には間違いなくセンスがあるなと感じて、ウチならメインになると確信を持って声をかけました」
現役時代に名ポイントガードとして鳴らした志村雄彦社長は振り返る。
「(3ポイントシュートの)確率も悪くないし、彼は球際がめちゃくちゃ強いです。フィフティフィフティ(五分五分)のボール、ルーズボール、リバウンドの嗅覚が凄いなと思っていました。彼のスティールはその辺のボールをパッと取るんですけど、あれは感覚ですね。セオ(藤田弘輝HC)のハードな、インテンシティの高いディフェンスにフィットするスタンダードも持っているので、ポゼションが増えるなと思っていました。去年から欲しくて、実は去年も声をかけていました」
阿部はリバウンドも平均「3.1」で、ガードとしてかなり多い。スティールも含めてチームのポゼッションを増やせるタイプでもある。