NBAを目指す馬場雄大、B1長崎で躍動 「情熱的」な恩師との師弟対決で示した強い意志
5勝1敗と開幕ダッシュに成功「B1で優勝できると思っている」
また、この夏のワールドカップ(W杯)で、ともに「AKATSUKI JAPAN」の一員として戦ったジョシュ・ホーキンソンもSR渋谷に在籍していたこともあり、試合前のコートサイドでは、彼らとにこやかに談笑する姿も見られた。馬場は会話の全貌こそ明かさなかったが、田中などとのやり取りについてこう答えた。
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「体の状態について話したり、互いのチームの状況だったり。あとはルカにまつわる話もしました。かつてのチームメートだからこそ話せるような内容でもあったと思います。話しているのは楽しかったですし、ああいった形で大貴と話すのも久しぶりでした。(田中は)変わっていないなという印象でした」
一方で、相手チームの一員としてパヴィチェヴィッチHCと相対した2日間でもあった。シーズン唯一となる「恩師との戦い」について感想を求めると、馬場は少しだけ間を置いて、率直な心境を明かした。
「うーん……正直に言って変な感じでした。ずっと『ヘッドコーチと選手』として、日本代表やA東京で2年ほどを過ごしたわけです。相手のヘッドコーチとして相対するという部分で、やはり情熱的な人だと再確認できました。自らが率先して、エナジーを持って振る舞うことで、チームに熱を分け与えるというスタンスも変わっていませんでした。(戦う中でも)まあ苦労しましたし、やはり、相手にすると怖いヘッドコーチだと思わされました」
一方で、相対したパヴィチェヴィッチHCにとっても、馬場や長崎の前田健滋朗HCはかつての「門下生」に当たる。会見で飛んだ質問に対し、パヴィチェヴィッチHCは、ある意味対照的な答えを残した。
「ナショナルチームなどとは違い、時間がくれば人も入れ替わっていきますし、それこそがプロの世界だと思います。もちろん、彼らとは良い関係性を築き、今もフレンドリーに過ごせていると思いますが、コートに立てば『戦う相手』として扱います。関係性と戦う意識というのは、コインのように表裏一体のものだと感じています」
長崎はこれで開幕6戦を5勝1敗で終え、西地区の3位につけている。今後は同地区、かつ勝敗で並ぶ島根スサノオマジックや、チームの大改造から徐々に追い風を得てきているシーホース三河といった対戦相手が待ち構えている。今後の戦いぶりについて馬場に問うと、力強い意志を覗かせた。
「できないことはないでしょうし、『やるか、やらないか』という世界だと思います。自分たちには力があると思っていますし、『B1で優勝できる』とも思っています。相手がどうこうというより、自分たちにベクトルを向けて、どんどん高いレベルを目指していく。その積み重ねで、自然と見えてくる景色もあると思います」
(荒 大 / Masaru Ara)